とある事務所のオーディション審査員をしてきました。

まぁ子役のオーディションなんですが、
とはいえ、下は小学1年生から上は高校3年生まで。

最終オーディションだったので、かなりの実力派揃い!!

どの子を押しても問題ないくらいの子たちでした(笑)


こういったオーディションでは、感情からではなく、テクニックでの表現をする子が多く見られ、
それをどう見破っていくか?
というのも、審査員のやることになるんです。


高校演劇や小劇団のスタイルが、徐々にショースタイルになってきていて、
「観せるもの」から「見せるもの」
に変化しつつあり、だんだん表面的な形だけの演技をされる方が多くなってきています。


ダンスや殺陣、様々な表現の素材があるんですが、
芝居の中では、あくまでも、素材でしかなく、
その美しさを比較したら、どんな役者でも、
それを本格的にやられている方にかなうはずがありません。



役者がやるべきは、小手先の演技やエンターテイメントを見せることではなく、
役者の心の動きを、お客さんに魅せることなんです。

まず、それが出来てからのダンスや殺陣の補助表現になります。



オーディションの話に戻りますが、
トップで通過した中学2年生の子が発した
たった一言のセリフ。
セリフの説明もなく、なんの前振りもなく発せられたセリフ。

「お母さん。ありがとう…。」

説明がないからこそ、こちら側に数多くの背景を想像させ、
心を動かした彼女は、文句なしの合格でした。




小手先だけでは、
きっとこの合格は勝ち取れなかったでしょうね。





ってなかんじで、今日はこのへんで!