今の役者さんは、稽古場での稽古の受け方を知らない役者さんがいるようです。


舞台上で演出家によって演出をつけてもらうことと、
舞台上で役者育成をしてもらうことを
履き違えている役者さんを見かけます。


基本として、役者が稽古とはいえ、舞台上に役者として乗るときは、
その完成したものを出さなくちゃなりません。


考えたり試してみたりは、自主稽古の中でやることで、
舞台稽古の中でやるものではありません。

そのためには、家でのイメージトレーニングや、
自宅での自主練習が必須なんです。

でも家で読みでの掘り下げや、イメージトレーニング、
簡単な動作をやっているということを、ほとんど聞いたことがありません。


学生時代の定期テストでも、テストを開始してから、
ああでもないこうでもない
と考えても、答えを導き出すことなんて出来ないのと同じです。

あぁ~もっと早くからやっておけばよかった…。

という言葉を導き出すのが、やっとだと思います。


しかし舞台では、それが当たり前になってしまっている…。


その場になって偶発的に出てきた演技では力が弱く、
とても人を魅了する計算された深い演技なんて出来るものではありません。


舞台上は真剣勝負なんです。

舞台稽古は、答案を提出する場であって、
学びの場ではないことを、
今の役者さんたちは知らなくてはならないと思います。



常に完成したものを。
常に真剣勝負を。


理想論ではなくて、それを知らない役者さんは、
この世界で生き残っていくことは出来ないんです。



ってなかんじで、今日はこのへんで!