震災のときに
アパートに流れ着いた写真を
今日ようやくお返ししてきました。


どなたの写真かがわからないので、
こうした写真の
修復や展示を行っている
気仙沼市内の
NPO団体に
お願いしてきたのです。


兄弟と思われる
幼い男の子2人が並んで、
いたずらっぽくこっちを見ている写真。


津波に運ばれた写真は
泥だらけでくしゃくしゃで、
手に取ってみると
あのときイヤというほどかいだ
ヘドロのにおいが
かすかに残っていました。


返さなくては、返さなくては
と思いながら、
写真に触れると
どうしても苦しくなってしまい、
こんなに月日が経ってしまって
申し訳なかったです。


結婚式、子どもの誕生、旅行、
仲間との語らい、
髪を結った着物姿の
おばあちゃんが写った
セピア色の風景。


展示場には
誰かの生きたあかしが刻まれた
数え切れないほどの写真が、
きれいになって並んでいました。


震災から3年。
やっとまたひとつ、
終わらせることができました。

どうかあの写真が
持ち主のところに戻りますように。


男の子も家族も
みんな元気でありますように。


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