私の無鉄砲さで、職を辞め、家業の手伝いをさせていただいている今日この頃ですが、

改めてこの父と母に生まれてよかったと実感できています。

父と母は揃って、意固地で古臭い人ですが、良く言えば時代に流されず、実直に真っ直ぐ生きています。

父と母のしてきた先代から受け継がれた「銭湯」という家業

子供の頃は、この家業のおかげで、生きて来れたが、ひどくいじめられても来た。

家業を継ぐなど、一度も想像すらすることはなかった。

東京電力に入社したことを心から祝福してくれた両親。

結婚するため、家を出る時も、何一つ反対しなかった。

子供ができて、呼び方がいつしか、「じいちゃん、ばあちゃん」になっても何も変わらない。

妻を突然、失い、戻ってきた私と子どもを、何も言わず新しい部屋までつくって迎えてくれた。

贅沢など何一つしない、一泊以上の旅行もしたことはない。新しい服や靴、ましてや装飾品など買ったことはない。一つだけふたりが身に着けている装飾品はずっと薬指の指輪だけ。

父の日や母の日、二人のそれぞれの誕生日に買ってくるポロシャツやワンピース、靴下や下着もものすごい喜んでくれるが、もったいないと、ボロボロの格好をいつもしている。

誰も憧れない二人の人生かもしれない。

家業を馬鹿にした市議会議員や国会議員を私はひどく嫌っているが、父と母は人を恨んだことがない。

ここ3週間ほど、家業を手伝っている中で、「風呂に入りに来てくれる人がいる限り、絶対に風呂屋は止めない」と両親が頑なにいう理由がよくわかった。

感謝する気持ちがあるからなんですね!

家族が生かされてる、空気があり、水があり、太陽から大地から恵みを頂ける。お隣さんがみんな優しくて、近所には友達がいて、ここへきて一人ずつ減っていく恩人知人、古い友達でも、すべてが、先代が残してくれた風呂屋があったから、なにより先代がいてくれたから、そして、尊い存在があるから、日常に感謝できる。

毎日毎日、この茹だるような真夏でも、凍えるような真冬でも、薪をつくり、運び、釜に込める。お客様から薪のお風呂は優しいお湯だねって言われるのが嬉しい。

父の代わりに、今その仕事をさせていただいている。

父の指の先がいつも爪の中真っ黒なことが、今では誇りに感じる。

今日は母を連れ、畑の草むしりをしながら、母が、

「先代が遺してくれた大切な土地、大事にしなきゃね、感謝しなきゃね、福島の人たちもきっと同じ気持ちだよ!守らなきゃね!それを応援する三浩をお母さんは誇りに思う、頑張って」

涙が出た

もっと、日常に感謝しないとね

「お米美味しかったね!また買ってきて」という母に福島のお米を来週は買ってこようと思う。

上遠野さんのお米、あと10袋あります!早いもの勝ちですよ!