前回より続いています。読んでいない方はコチラから左下矢印

蝶々 毎月、体の中で何が起こっている?




前回は、医学が発達する前の古代では、月経は不浄、不吉、あるいは有害であるとさえ信じられていた、という記事を書きましたメモ


月経の本態は、女性における生殖の仕組みを把握しなければ理解できません。だからこそ、生理学の学問体系が確立されるまでは、月経は神秘的かつ超自然的現象kirakiraであると思われていたのですね。そして20世紀前半、科学の全盛期を迎えて、生殖の複雑な現象は次々に解明されていきました。長い間人類が抱いてきた月経に関する不思議はここでようやく払拭されたのです。月経は決して畏怖すべきものではなく、生物学的観点から生殖に深く関わる重要なこととして広く認識されるようになったわけですね。


1そもそも月経(生理)って何でしょうかはてなマーク


説明できる人少ないですよね。月経とは子宮の内腔を覆っている子宮内膜という組織からの周期的な出血のことを言います。


2ではなぜ出血するのでしょうかはてなマーク


女性の身体の中では、月に一度赤ちゃんを授かることができるチャンスが巡ってきます天使それが排卵期です。排卵とは読んで字のごとく、卵が卵巣から排出されるということです。その卵(卵子)と精子が受精すると、妊娠したことになります。そしてその受精卵は最終的に子宮に着床するわけですが、子宮ではその赤ちゃん卵の到来に備えてベッド天蓋ベッドの準備を始めるのです。そのベッドが子宮内膜です。このベッドは赤ちゃんが大きくなるための血液や粘液などで出来ています。しかし、受精が起こらなければベッドは必要ありませんので、体外へ排出されます。これが月経(生理)として出血する仕組みです。女性の身体って本当にすごい・・・。


3では月経を起こさせているものは一体何なんでしょうはてなマーク


月経という名のドラマに登場する主役は全員で6人。まずは卵巣子宮。これは上記でも説明したとおり。そしてこれらの臓器を支配する、エストロゲンプロゲステロンという2つのホルモン。そしてホルモンの司令塔である視床下部脳下垂体です。


主役のうちのエストロゲンとプロゲステロンは卵巣から分泌されて子宮に働きかけるのですが、これを調整しているのが脳下垂体から出るホルモン物質、ゴナドトロピンです。ゴナドトロピンには卵胞刺激ホルモン(FSH)黄体化ホルモン(LH)の2種類があります。この2つのホルモンの共同作業により卵が成熟して排卵に至ります。このゴナドトロピンはさらに、脳の深部にある視床下部から出るゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)によって調整されています。つまり、視床下部 ─ 脳下垂体 ─ 卵巣 と指令が下りていって、排卵に至り、月経がやってくるという順番になります。ちなみにこのFSHやLH、GnRHはエストロゲンの分泌を促しますが、逆にエストロゲンはこれらの3つのホルモンを制御する役割を果たしています。つまり相互作用しているわけですね。



         こんな感じでやじるし
ホメオパス&ハーバリストErikoのブログ



女性は男性に比べて情緒不安定であるといいますが、これは男性にはない、ホルモンの変動が顕著であることが理由です。加えて、これらのホルモンの最高司令部である視床下部が情動を司る場所であることにも関係します。れっきとした科学的根拠なので、責められることでも恥ずかしいことでもありませんパーこういった情動や体調に深く関わっているのが2つのホルモン、エストロゲンとプロゲステロンです。エストロゲンとプロゲステロンは全身の代謝、自律神経系、内分泌臓器、そして脳の神経活動などにも影響するため、不摂生やストレスで月経がとまったり、不順になったりするわけです。



1ヶ月の間で、体調があまりよろしくない、もしくはすこぶるエネルギーを感じる、などの違いを感じることがあったら、このホルモンと月経周期が関係しているのかもしれません。




ホメオパス&ハーバリストErikoのブログ



上記の図の排卵期前後を見ていただくと、卵胞ホルモン(エストロゲン)が排卵前に急激に上昇アップしているのが分かりますね。そして排卵が終わると、今度は黄体ホルモン(プロゲステロン)が上がっていきますアップ。このホルモンの変動が、気分のムラや体調の変化などを起こしているんですね。


またこの変動に伴って、体温も上下アップダウンします。排卵までは低温期で比較的落ち着いていますが、排卵後はぐっと上がっているのがわかります。この体温の変化はもちろん平熱の範囲内でして、起床時の体温が一番分かりやすいため、起床時の体温を基礎体温と呼びます。月経不順のときに基礎体温を測るのは、この体温差があるかどうかで排卵があるかどうかを調べるためです。ちなみに低温期と高温期の較差は0.3~0.5度ぐらいと言われています。



さて、こうしてみると、女性の身体というのは1ヶ月の間に月経期卵胞期排卵期黄体期という4つの変動パターンがあるということになります。





次の記事では、この4つのパターン期に身体は一体どうなっているのか、を書きたいと思いますー。