TS-1+アバスチン療法22クール目の10日目、少しだけ怠いです。副作用かな。

昨日はまたしてもお腹の具合が悪く、イマイチな1日でしたが、今日は出てないので問題ありません。出ないのも考えモノですが。

さて、表題の件。温泉に入るたびに、禁忌に「悪性腫瘍」とあるのが気になっていたのですが、昨日出席したセミナーでそれが「32年ぶりに改正された」と聞きました。

調べてみたら「温泉法」という法律があって、それが昨年改正されたみたいですね。下記に、以前のものと新しいものの対照表があります。
http://www.env.go.jp/nature/onsen/docs/shinkyuu.pdf

もともとの禁忌は、下記。

<温泉の一般的禁忌症(浴用)1982年版>
急性疾患(特に熱のある場合)、活動性の結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、その他一般に病勢進行中の疾患、妊娠中(とくに初期と末期)

で、あらたな禁忌は下記。

<温泉の一般的禁忌症(浴用)2014年版>
病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期

何だか、いちいち説明っぽくなりましたね。読むとほとんどが「そんな時、入れまへんがな」と言いたくなるような状態。
「悪性腫瘍」という言葉は残ってますが、進行したもので、かつ、身体衰弱の著しい場合となっています。

どこの温泉に行っても、なぜ禁忌に「悪性腫瘍」があるのかなぁと思っていたのですが、この悪しき温泉法によって掲示しなければいけなかったようです。しかも、これといったエヒデンスがあったわけでもなく書かれていたようで。今回「妊娠中(とくに初期と末期)」という表記も外されたんですね。

ということで、晴れてがん患者は「身体衰弱の著しい場合」でなければ、温泉に堂々と入ることができます。今まで、何となく後ろめたい気持ちがあって、少し隠れるように入っていた感じでした(笑)。

ちなみに温泉の禁忌の話は、昨日のセミナーで東大の中川恵一先生から聞きました。日経新聞で「がん社会を診る」の連載もされている先生です。

先生のお話で印象に残ったのが甲状腺がんの話。

甲状腺がんは、人体に悪影響を与える可能性が低く、治療の必要もほとんどないがん。検診をして「甲状腺がん」だ、ということになると治療を始めたりするが、それは決して正しくないとのこと。

韓国で甲状腺がん検診の受診が増え、結果的に発見される(=甲状腺がんと認めらる)ケースが急増したのに、死亡率は変化がない(低いまま減ることもなく推移)。検診をしても死亡率が下がらなければ検診の意味はない。

福島の子供たちに甲状腺がんが多く発見されていることが話題になっているが、これも「検診をしたから」という可能性が高く、慎重に対処すべきであるとのこと。ちょっと調べたら、いろいろとご意見があるようですが、「なるほど」感のあるお話でした。

余談ですがこの中川先生、ちょっと古いデータですが「週刊誌に一番登場していた」先生だったようです。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/orgnl/201302/529137_3.html

分かりやすいお話、やわらかい語り口、(ちょっと逆に失礼ですが)見た目も含む好印象など、少なくともマスコミとしてはとてもありがたい存在ですよね。昨日のセミナーにはNHKの取材も入っており、とても熱心に対応されていました。

がん死亡率を下げることや検診の普及に一生懸命な方なのでしょう。今後のますますのご活躍を期待しています。同じ放射線科の近○医師にも少しは見習ってほしいですね。


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