安保関連法案の廃案、撤回を求めるアメリカからの声明...

私たちはアメリカに在住し、戦争放棄を謳う日本国憲法を誇りに思う者の集まりです。

2015年1月より、沖縄県辺野古への米軍基地建設に反対する地元市民の皆様を応援すべく、毎月集会を開いております。

私たちは、7月16日、衆議院本会議で可決された安全保障関連法案(戦争法案)の、速やかな廃案、撤回を求めます。

同法案については、日本全国の9千人を超える憲法学者が「違憲」と判断し、審議の進め方に対しても各方面から批判が噴出しました。
世論調査では、多くの国民が不安を抱えている様子が顕著に表れています。

日本は過去、1931年の中国への侵攻を皮切りに、アジア・太平洋各国に推定2000万人の犠牲をもたらしました。

当時植民地だった朝鮮半島、中国、台湾から強制徴用された人々も含め、国内外で民間人80万人が犠牲となりました。(昭和63年厚生省発表)

敗戦後日本は、自国の侵略戦争において犯した人道上の罪を反省し、国民が味わった辛酸を二度と繰り返さないと誓い、前文にて「全世界の国民が等しく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認」し、9条にて「戦争放棄」を謳った現行の日本国憲法を制定、施行したのです。

ところが戦後70年経った今、安倍自民党・公明党連立政権は、この非戦の誓いを破ることになる戦争法案を、衆議院にて強行採決しました。

続く参議院でも可決されますと、政府の、特に安倍首相が個人的に執着する集団的自衛権の行使が可能になってしまいます。

日本の自衛隊が、地理的な制限もなく、アメリカ軍による武力行使に密接に協力し、弾薬補給その他の活動をすることが可能になるのです。

これは明らかに憲法9条に反しています。外国防衛を日本政府に義務付けた規定は、日本国憲法には存在しません。
内閣の権限は行政権と外交権のみで、軍事権は与えられていません。

本来ならば国会で、憲法9条についての十分な審議をし、国民の信を問い、憲法の改正の作業を経て初めて、法律としての制定が行われるという手順であるべきにもかかわらず、アメリカで開催された日米安全保障協議員会で2015年4月27日に取り決められた「日米防衛協力のための指針」(日米ガイドライン)に沿って、アメリカのアジア基軸の軍事負担を日本が肩代わりする目的で、民主主義の手続きに反したまま、この戦争法案を押し通しているのです。

日米ガイドラインが日本国憲法を超越するこの事態は、立憲国として到底許されるものではありません。

立憲主義、国民主権、議会制民主主義に反する戦争法案の強行採決は、圧倒的多数が反対する沖縄の民意を無視した辺野古新基地の強行建設作業と全く同じ構図であり、米軍基地が集中する沖縄が、再び捨石とされることも免れません。

そして日本が再び、戦争立国へと変貌する大きな一歩になりかねません。

私たちの住むアメリカの主要産業は軍需産業であり、私たちの税金のうちの自由裁量経費の54%は軍事費に当てられています。(2016年度大統領予算案)

予算不足の為、国内のインフラ、教育、福祉、医療に手が回らず、経済格差は広まる一方です。

アイゼンハワー大統領は退任演説で「軍産複合体に注意せよ」と、アメリカ市民に警告しました。

経済の基盤を軍産複合体においたため、その歯車を回すために戦争が繰り返されるようになり、若者が経済的困難から志願、入隊し、使い捨てにされる構造になっているのです。

日本が戦争法案を通してしまえば、アメリカと同様、軍産複合体が望む戦争に人的、経済的に加担し、尊い命が使い捨てにされる社会になるのは確実です。

真の安全保障とは何でしょう?

命を守ること、命を繋ぐためのコモンズを守るのが安全保障のはずです。

日本がすべき国際貢献とは、戦後70年間、紆余曲折を経ながらも守られてきた憲法9条の、誕生時にこめられた平和への希求をあらためて確認し、

日本国内や東アジアはもちろん、武力による威嚇や武力の行使が世界から廃されるよう、身をもって平和国家を実現していくことです。

日本は過去に二度、原子力爆弾が投下されました。

21万人以上が犠牲となり、甚大な被害と苦しみを被りました。放射能の影響は次の世代にまで引き継がれることもあり、現在も続いています。

事情や理由の如何にかかわらず、核兵器は戦争犯罪の最たるものであり、決して許されるものではありません。

その悲惨な体験を持つ唯一の国家として、核兵器廃絶を世界に訴え、実現までの困難な行程の道標にならなければなりません。

また、東京電力福島第一原子力発電所の重大事故により地球規模の放射能汚染をもたらしている国として、解決の仕様がない汚染と核のゴミの元凶である原子力発電からの脱却を、率先して実現する役割を果たさなければなりません。

同時に、多くの専門家が警告している「気候変動」の解決に積極的に取り組むこと。

地球のあらゆる生物に危機をもたらす気候変動と環境汚染の問題解決に、東アジア諸国と協力し叡智を挙げて取り組み、そのための枠組みを作ることこそが、安全保障において最優先に置かれるべきです。

私たちは日本国政府に、戦争法案の速やかな廃案、撤回を強く求めます。

国際社会における平和調停役としての役割を務め、近隣諸国とともに、気候変動、環境破壊の問題に一刻も早く取り組むよう、呼びかけをすることを求めます。

そしてアメリカ市民に呼びかけます。

今、アメリカ政府と軍産複合体の圧力によって、日本の非戦の誓いが破られようとしています。

アメリカの外交政策が、日本のみならず世界中の、殺戮の連鎖と環境破壊を引き起こす大きな要因となっているのです。

皆さんもきっと、戦争などこの世から無くなって欲しいと、強く願っておられると思います。

戦争という世にも愚かで醜い大木を、皆さんの手と私たちの手で力を合わせて倒すことができたら、地中に張り巡らされてしまっている私たちの命を蔑ろにする太い根もきっと弱ります。

それは今すぐ叶うことではないでしょう。

何代にも渡り、その手と手のつながりを受け継いでいかなければならないでしょう。

でも、世界はもう始めなければならない時が来ています。
始めるのは私たち市民です。

真の市民社会の実現は、私たちの意思と行動が無くては叶いません。
私たちも頑張ります。

どうか皆さん、軍事による安全保障政策を変更するよう、日本をはじめ諸外国の政策をコントロールするのを止めるよう、議会に要求してください。

2015年7月29日 アメリカ在住賛同者一同





これはある書き込みで見た文面です。


備忘録としてブログに入れました。