花粉症とタバコー実験。 | ある植物学者の視点。

花粉症とタバコー実験。

今年のスギ花粉飛散量が例年の100倍だからなのか、結婚してから家族といる時間(朝晩、週末)は禁煙になったからか、2年間症状の出なかった花粉症が復活しました。 元々、前にここで書いたように花粉症と喫煙の関係について興味があったのでこれはある意味チャンス?と思い自らの体で人体実験をしてみることにしました。 さて、花粉症を抑えるのに必要な本数、効果が出るまでの時間です。 本数:2本 効果が出るまでの時間:10分から20分 細かいことは省きますが、本数を変えたり、2本の間の時間を変えたりしてみました。朝一発目では2本の間を10分以上開けると効果が弱い気がします。 そして、何が効いているのかの検証です。私の吸っているのはメンソール系のタバコで、タール 5 mg、ニコチン 0.3 mgですので、まずはこれを変えてみます。最近、同じ銘柄でタール 1 mgのものが出たのでこれを試してみると、効果はほぼ同じでした。つまり、タールやニコチンの効果ではないようです。 メンソールは、花粉症の症状改善に効くとしてのど飴とかにも入っています。そこでメンソール系でない普通のタバコで、タール 5 mg、ニコチン 0.3 mgのものを探してきて試しました。 効果は同じです。 次に考えられる、また薬理的にも可能性が非常に高いのは煙に含まれる一酸化炭素(CO)および一酸化窒素(NO)です。これらは、過剰に吸引すると中毒死にいたる非常に有名な毒ガスですが、毛細血管の収斂を引き起こす化学物質としても知られています。 花粉症のアレルギー症状を考えると、ある種の炎症ですから血管の拡張や血流量の増大、これに伴った免疫系の活性化が起こっていると考えられます。つまり、COまたはNOで末梢の毛細血管を収斂させることで症状が抑制されていると仮定できます。 では、その検証です。喫煙者用の健康器具?として吸い口につける小さなパイプが市販されていますが、その中で内部に銅板を取り付け、触媒作用でCOおよびNOを消去するというものがあります。(本来の目的は、タールの吸着)。さあ、実験です。 パイプフィルター装着時:2本では効果なし!! もちろん、副流煙があるので5本位吸ったあたりで効果が出て来ますが、これでタバコが花粉症を抑えるメカニズムが明らかになりました。 ただし、これを非喫煙者に適応するのはほぼ無理です。タバコ以外で極微量のCOおよびNOを吸うの、難しいですから。何かを不完全燃焼させて、、、って下手したら死んでしまいますし。 頑張って??、1mg位のを吸うのが良いでしょう。もちろん、低タールでも発ガン性はありますから諸刃の剣ですけどね。