10月になり、日本は秋の気配でしょうが、当地では季節感のない常夏で、

時間だけが過ぎてゆくような錯覚・ボケ気味です。


さてさて、アメリカのズッコケが世界中に打撃を与えていますね。

去年、サブプライムが表面化した時は、アメリカの政府関係者でさえ『たいした問題ではない』と言い切っていたにもかかわらず、ましてや日本では、つい最近のリーマンの破綻を『蜂にチクッとさされてようなもの』とたかをくくっていましたが。

こちらに住んでいると、世界中のニュースがリアルタイムで入ってきます。

世界中の株価が下落し、世界中の大企業が人員削減を計画しています。

サブプライの怖いところは、誰も事態の深刻さを予測できないこと。

当時の政府関係者の発言は、この『予測不能』から来ている無知なるゆえの発言といえ、今の時点で『たいした問題ではない』とは誰も言えないでしょう。

それを反映して、公的資金が市場や企業に何度も投入されたにもかかわらず、下げ続ける株価。

投資家の不安が市場に如実に現れています。

私も人ごとでない気持ちでこの現状を見ています。

1991年に日本のバブルが弾けたころは、本当に他人事でした。

1991年はちょうど大学を卒業して会社に入社した時であり、超売り手市場最後の年に就職活動をして、バブルの恩恵を受けた世代です。

当時は入社試験を受けるために、札幌から東京へ行くのに、交通費や宿泊費が会社から支給され、どうぞうちの会社へ来てくださいという、時代でした。

それが一変、倒産しないと言われた大手地方銀行がつぶれ、北海道は不況の嵐が吹き荒れました。

バブルが弾けたと同時にに入社した会社も弾けて、入社して1ヶ月ちょっとで私のいた人事部は閉鎖。

倒産は時間の問題といわれ、会社に行っても仕事がなく、毎日本を読んだり、他部署の残務処理をして過ごすこと数週間。

これじゃいかんと、就職活動を再開して、運よくすぐに外資系に内定をもらい、入社2ヶ月たらずで転職。

にもかかわらず、私にはこの当時、全然不安や悲壮感もなく、坦々としていました。

まるですべてがあらかじめ決められているシナリオに従っているかのように。

今から思えば、若さゆえの無知が何の不安も恐れも感じさせなかったのだと思います。

株価が下落しようが、関係なし。働き始めたばかりの身に株や資産は遠い世界でしたから。

ただただ、無知でだったんですね。

経験もなく視界も限定されていたので、ピンチもチャンスも何も知らずに、知ろうともせずに、目の前のことしか考えずお気楽に過ごしてましたから。

転職活動先の外資系会社では北海道の不況はまったく関係なく、バブリーな新人研修や会社の待遇などもその一因だったと思います。

そんなことを振り返りつつ、今の現実に目を向けると、見通しの不透明さに不安を感じます。

日本は当時の経験から学び、迅速に対応していると思います。

アメリカも迅速に対応しているとは言え、リーマンの破綻が事態をより深刻にしていますね。

今は、この世界の歴史的な金融市場の変革の動向を見守りたいと思います。

個人的には早く市場が回復してこれ以上の金融不安が広がらないように望みます。