これ、何のことだと思います?



実は、シンガポールのタンジョンパガーにある鉄道構内の土地は、
マレーシア所有の土地。


つまり、鉄道駅だけマレーシアなのです。



不思議ですよね。



例えるなら、日本の東京駅は日本国のものではなく、
韓国のもという感じ。



違う国のものなので、国鉄構内はこれまでシンガポール政府が関与できずにいました。



マレーシア政府もノータッチで、そこだけ未開の地のように

古い掘っ立て小屋の駅と古いレールに草ボウボウの敷地内。



よく駅の前を車で通るのだけど、そこだけ取り残された、
セピア色の写真でみる30年くらい前のシンガポール。



駅はあれども、顧客なし?というほどに閑散として
ノスタルジックな雰囲気漂う構内はまるでタイの田舎の駅のよう。



周りはどんどん近代化していくのに、
国鉄駅構内だけは忘れられた存在のようで
私も不思議に思ったものです。



事の経緯は、以下の通り。



元々シンガポールはマレーシアの一部。



1903年に開通した鉄道路線は


マレーシア政府の全額出資会社の鉄道資産公社所有で


1965年にシンガポールが独立した後も、


運営・運行をマレーシア鉄道公社が行うという
取り決めが決まりました。



時を経て、シンガポール側は
シンガポール領内の鉄道施設を譲渡するように
マレーシア側に要求してきましたが、


同意を得ず今日まで来たというわけです。



ところが、昨日のストレートタイムズの1面の記事によると、


シンガポールとマレーシアの両国の首脳の合意により、


来年の7月までに国鉄駅をシンガポール北部のウッドランドへ移転、


将来的にはシンガポールとジョホールを結ぶ
特急列車サービスも行うという会談がまとまったそうです。



両国の間で20年間紛争の種だったタンジョンパガーの国鉄が
ようやく移転という形で円満解決となったそう。



やっと鉄道駅が移ることで、近代的な駅に生まれ変わりそうです。



車や公共のバスなどで簡単にシンガポールからジョホールへ行けるけど、

列車の旅もまた楽しいですよね。



綺麗でアクセスの便利な駅が完成したら、
列車に乗ってマレーシアへ行ってみたいものです。



車とはまた違った景色が楽しめると思います。