シンガポールで実際にあったシンデレラストーリーを紹介します。



『1986年シンガポールに降り立った一人の小さなフィリピン人。


メイドとしてこの地で職を得た彼女は、独身の女医のもとで働き、
仕事で多忙な女医のために家事全般をこなし
女医の年老いた病気の母親の面倒を亡くなるまで見た。


1年前に雇い主の女医が亡くなって、その遺産を甥と共に相続。


彼女の相続分は、中心部にあるコンドや不動産を含む
6百万ドル(約4億円)だった。』




7月中旬にストレートタイムズ(シンガポールの英字新聞)
に載っていた記事です。



新聞社の取材を受けた彼女は、


『女医と自分は母と娘のように何でも話し合い、
どこに行くにも一緒で本当の親子のように仲が良かった。


女医が亡くなる1年前に相続の話が出て、
自分が譲り受ける金額はすでに知らされていたけれど、
その金額を知っても少しも驚かなかった。


お金よりも母のように慕っていた女医が亡くなったことが悲しい。


自分の母親よりも長く一緒に生活したのだから。』


と、話した。



この女医さん、シンガポールや海外に親族がいたけれども
甥以外は付き合いがなく、最も親しかった甥とメイドに
自分の財産を相続すべく遺書を用意していたとのこと。



幸運だと思うか?との質問に


『お金があってもなくても、
私は今も昔も世界一幸運なメイドだと思う』、と答えた。




このニュース、フィリピンメイドたちの間ではすごい衝撃だと思う。



こちらではよくメイド虐待とか、
メイドに復讐されて家族が殺されたなどの
メイド絡みの暗いニュースが多いけれど、


メイドも雇い主もできるだけ良好な人間関係を築いて
お互いに気持ちよく過ごしていれば、
両者に素晴らしい幸せがるというニュースの見本。



きっとこの女医さんもこのメイドのお陰で
安心して旅立つことが出来たのでしょう。



47歳になるメイドはシンガポールでPR(永住権)を取り、
フィリピンとここを往復する生活をしているということ。



貧しくてもまじめに働いて
こんな幸運み見舞われるシンデレラストーリーは
世の中に希望を与えてくれるニュースですね。