こちらに住んでいると、良く聞かれる質問があります。


「将来はどこに住むつもりなの



こんなことを聞かれるのは、
1つには私が外国人だから、
2つめには、シンガポールだからこそ、と感じます。



シンガポールは淡路島ほどの小さな国土で
地図で見るとマレー半島の先端の点にもならない国。



人口は400万人強で、そのうちの100万人は外国人。


中華系・マレー系・インド系・その他の外国人という
多種多様な文化・言葉で構成された国。



こんな小さな資源もなにもない国ですから、
シンガポール人の目は常に世界を向いています。


世界を相手にしなくては生きていけないからです。



だからこの国にいると世界中のニュースが時差なく
瞬時に速報で入ってきます。


世界中のテレビ放送も現地の言葉で見ることができます。


英語と中国語の2ヶ国語が公用語なので
外国人でも英語か中国語がわかれば全く不自由を感じません。



国の端から端まで車で走って1時間の本当に小さな領土ですから、
外国に行くことは隣町に行くような感じで抵抗も少ないんですね。



だからこそ、シンガポール人は生まれた国だけに留まることなく
チャンスがあれば広い世界のどこに住むのも厭わないという
気質があるのかもしれません。



また、シンガポールは
厳しい法律のもと社会の安全や秩序が保たれています。


道徳に反したら罰金、
市民が自由に市民運動やデモはできない、など
すべてがトップダウンの形で管理されています。



そのために市民の発言する場は限られていて、
真の自由がないように感じている国民もいます。


今後、政府の政策が自分の価値観と合わなければ
家族とともに外国へ移住すると考える人も少なくないです。



又、年々上がる物価や家、車の高騰に嫌気がさして
もっと物価の安い国に移住して暮らしの質を良くしようと
考える人もいます。



退職してから外国へ移住する人もいますから
若い人だけの考えではないようです。



「将来どこに住むの?」



これはこれから日本でも視野に入れて
考えていかなくはいけないことなのかもしれません。



今回の地震では、
避難のために地元を離れるのを嫌がる人が多いと聞きます。



東北地方は地域や人との結びつきが強いので
長年住み慣れた地元を離れる不安も大きいのはわかります。



年をとれば取るほど新しい環境に馴染めないのも当たり前です。



何度もこちらへ来ている母でさえ、
年老いても、この先ずっと私と一緒にここで暮らすのは嫌、
「一人でもやっぱり生まれ育った札幌が良い」、と言います。



でも、原発の問題が長引いて、
将来、自然破壊や食の問題なが深刻になったりした場合は、
身の安全のためにも地元を離れるという決断を
早くしたほうが良い場合もありえると思います。



日本は、未来を背負う子供たちが健康で安心して暮らせる国になる。


安全で平和に暮らせる日本になることを願うばかりですが、


そうならない政策が出たときには
一人ひとりが自分の幸せな未来のために
生まれた場所に留まることなく、
どこに住むのかを決断しなくてはいけないかもしれない。



そうならないことを願いつつ、
日々のニュースを見ていると
色んな思いが心をよぎる毎日です。