先週、母を空港へ送る車中で
パートナーと久しぶりに仕事の話をしていた時のこと。


会話の切れ目で、後ろの母がそっと私に耳打ちして聞いてきました。


「喧嘩しているの?」



私たちの口調がとっても強く大声なので
喧嘩して怒鳴りあっているように聞こえたようです。



中国語の影響もあるのだけど、
彼の英語はとってもストレートで
感情が入ると怒っているように聞こえるのは確か。



彼の母親が私に話しかけるときなんかも同じで、
会話を聞いているうちの母は、
「おかあさん、怒っているの?」と聞いてくる始末。



「今日の晩御飯は美味しかった?」って他愛も無い内容でも、
中国語になると、本当に怒っているように聞こえるんですね~。



私もそれに応じて答えているうちに
同じようなトーンが身についちゃったみたい。


たぶん、大阪人とずっとしゃべていると
大阪弁がうつる感じと同じだと思います。



私も怒って応戦しているように母には聞こえたようで

「女性はね、一歩引いて男性を立てたほうが良いのよ。」と母。



「あのね、それはお母さんの時代のこと。


 今の時代はね、男女に関係なく、お互いを理解するために話しをして、
 自分の考えを言うほうが一般的よ。


 
 同じ日本人でも考え方は天と地ほどの差があるのに、
 ましてや文化の違うもの同士、立つ土俵が違うのだから
 話さなければ相手が何を思ってどう考えているのか
 わかるかけがないでしょ。」



考え方・常識というのは
個人で、地域で、国で、世代で、男女で、全然違うものです。



例えば、日本では、誰かにご馳走してもらったり、お世話になった後で、
次にその人に会ったときは、
前回のお礼を言うのが常識ある人の行動と思われてます。


「先日はお世話になりました。」って。



でも、中華圏文化では違うんですね。


前回のことをまた持ち出してお礼を言うということは、
次回ももっとご馳走して、もっとお世話してほしいという意味に
捉えられかねないんですね。


なので、こちらでは前回の出来事のお礼をわざわざ
言われることも滅多にありません。




男女のコミュニケーションも脳の仕組みが違うため
受け止め方や考え方が全然違いますよね。



例えば、会社から帰ってきた夫に今日1日の出来事を話す妻。


上の空で返事をする夫に、ちゃんと聞いているの?!と詰め寄る妻。



これではちゃんとしたコミュニケーションをとるのは難しいですね。


なぜなら、夫は1日のストレスや疲れを少しでも癒したいために

せめて30分くらいはそっとしておいてほしいのに、
妻は、夜遅く帰ってきた夫に自分の話を聞いてほしいのだから。



自分が望んでいることを相手に伝えて理解できれば
お互いに歩み寄って解決策を見つけることができるけれど、
伝えないままだと、お互いに分かり合えないまま、
相手に不満を募らせて溝は深まってゆくことになりかねません。



私もパートナーから、帰宅したらしばらくそっとしておいて、と
言われて初めてわかりました。



「話しを聞いて相手を立てることは必要よ」と、
昭和初期生まれの大和撫子の母らしい言葉。



母は私たち子供の前ではいつも父を褒め称えて、
父がどんなに悪くても決して父を悪く言うことはありませんでした。




「もちろん。相手の言うことはちゃんと聞いてるつもり。
 でもさ、私たちはそれぞれ違うからこそ、
 話すというコミュニケーションが大切になるのよ。」



「確かにそれはそうだけど。。。
 あなたの話し方見てるとちょっと怖いわ。
 昔もだけど、ますます強くなっちゃったわね~。」とため息交じりの母。



「強くなかったら一人でこんなところまで来ませんよ~」


と言いつつ、自分では強い、強くなったという自覚がないのだけど、
そんなに私のしゃべり方は怖かったかな?


威圧しているつもりはさらさらなくて、
普通にしゃべっている感覚だったのだけど。



中国人は普通にしゃべっていても
喧嘩して怒鳴りあっているように聞こえるというけど
私もたぶんあれに近くなっているのかな。。。。



日本語でしゃべるときは普通なんだけどな。。。



これからは気をつけて、パートナーにも
エレガントにソフトに話すようにしようと思います。