「奇跡」いかがだったでしょうか。

福山雅治さん主演の「そして父になる」(2013)でとにかくその存在と名前がより一層有名になった是枝裕和監督。その是枝監督が「そして父になる」の1つ前に作ったこの「奇跡」という映画、皆さんはどんな感想をお持ちでしょうか。実はこの九州新幹線の開通、2011年の312日のことでありました。ご記憶の方も多いかと思いますがつまりこの九州新幹線の開業というのはあの311日東日本大震災の翌日のことだったんですね。


ですからこの映画における子供たちのあの小さな旅というのはまさに東日本大震災が起こった当日翌日の物語ということになります。そしてこの映画2011年の6月に公開されています、ですから撮影は31112日よりも前に行われていた。でも結果的には東日本大震災を挟んで公開される映画になったわけです


2つの新幹線がすれ違うその瞬間子供たちがみんな大きな声で自分の願いを訴える

でも肝心のお兄ちゃん航一はあんなにも家族が一緒になることを願っていたのにもかかわらず、そのためにあそこまで苦労してやって来たにもかかわらず黙っている叫ばない。

そして彼は自分の個人的な願いではなくて世界についてその瞬間考えた願った。

ま、これが結果としては東日本大震災を知ってしまった我々に重なってくるわけですね。

是枝監督、自分の思惑を超えたという風にも語っているんでありますが

こういうことになったのがこの様なメッセージを伝えることになったというのが

この映画のタイトル奇跡、映画における奇跡と言っていいのではないか

そんな印象をわたくし持っております。



さてこの「奇跡」という作品、もともとは2011年3月12日に全線開通する九州新幹線をモチーフに作品を作ってみないかというオファーを是枝監督が受けたところから話が始まっていたということなんですが。

是枝監督が最初に提出したプロット、実は鹿児島に住んでいる男の子と博多に住んでいる女の子が新幹線を見に行って出会うというボーイミーツものだったんです。

しかしオーディションで前田前田の2人に出会って、これは2人とも撮りたいと惚れ込んだことから少年と少女では無く兄弟の話に変化していったんだそうです。

つまり前田前田の2人がまさにこの映画のストーリーテーマを変えてしまった。

これは凄い事ですよね。


そして実はこの奇跡という映画、他にも現在天使過ぎるアイドルとしてブレイク中の橋本環奈さん出演しています。

更に樹木希林さんのお孫さんにあたる内田伽羅さんをはじめ個性豊かな子供たちの存在感を型にはめること無くすくい取る是枝演出がこれまでに無く伸び伸びとした雰囲気を醸し出していた様に感じます。

この作品のクランクイン前に樹木さんは、今回は子供たちが主役の映画なんだから大人はアップなんていらないからねと言ったそうですが

樹木さん、夏川結衣さん、阿部寛さん、原田芳雄さん、オダギリジョーさんといった是枝組出演経験者。そして長澤まさみさん、大塚寧々さん、橋爪功さんら初参加者を含む超豪華キャストの面々が生き生きとした子供たちをストーリーの上でも演技の上でも暖かく見守っていたサポートしていたのが非常に印象的でした。







「奇跡」次回放送は6/21(土)18時40分~日本映画専門ch⇒
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