新潟産純米吟醸と、100年の歴史を誇るハワイ生まれの日本酒 | 光のハワイ日記

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ハワイ島在住フリーランスライター相原光のハワイ情報。Webマガジン「MY LOHAS」、総合旅行サイト「トラベルコちゃん」などに記事を書いています。電子書籍版「光のハワイ島日記」BOOKWALKERで独占先行発売中!夫婦で営む玄米寿司店「ドラゴンキッチン」は8年目に入りました。

アロハ、ヒカルです。

今回は、お正月に飲んだお酒について。

 

 

右:菊水

左:宝政宗

※升は岐阜産です!

 

「お正月くらいはいつもより高級なお酒を飲もう!」 ということで、今年は「菊水」になりました。

 

日系のスーパーではけっこういろんな日本酒を取り揃えているのですが、お値段やや高め。輸入モノだからしょうがないんだけど、720mlサイズで30ドル以上というのが主流でした。

 

なぜか「菊水」は、同じサイズで23ドルほど。純米吟醸なのに、なぜ? でも安いに越したことはない。と、はっきりいって値段で決定したのであった。

 

もちろんマコトに美味にて、あっという間に飲んでしまいました。もっとゆっくり楽しめばよかった! 次回は来年だー。

 

さて、菊水の隣に映っているお酒、ご存知のお方はおるでしょうか? 「宝政宗(たからまさむね」という名前で、アメリカではけっこうポピュラーな日本酒であります。実はこのお酒は、なんとハワイ生まれの日本酒なのだ!

 

「宝政宗」は、ホノルル酒造(Honolulu Sake Brewery Co.) が作ったお酒です。

 

ホノルル酒造は、1908年ホノルル創業。海外で最も古い酒蔵で、ハワイで最初に成功した日系人ビジネスでもあります。ハワイに渡った日本人移民が作った酒蔵なのです。みんな日本酒飲みたかったんだね。

 

ホノルル酒造は大成功をおさめたのですが、1941年に太平洋戦争が勃発。戦争中は酒造りを禁止されてしまったのでした。

 

戦後、酒造りを再開したものの、以前のように酒を醸すことができず、かなり大変だったようです。一度やめてしまうと、もとに戻すのはすごく難しいみたい。ホノルル酒造は日本に助けを求め、1954年、酒造りで評判を集めていた高野ニヘイ氏を招致しました。

 

高野氏は家族でハワイに移住することとなり、ハワイ酒造はみごと復活! 「宝政宗」はハワイの酒として名を馳せることになったのでした。

 

残念ながら、ホノルル酒造は1989年に廃業してしまったのですが、カリフォルニアの会社がビジネスを引き継ぎ、「宝政宗」は現在バークレーで製造されております。今でもハワイで一番有名な日本酒なんじゃないかな?

 

「宝政宗」は3Lで20ドルくらい。これは安い? やや甘めです。

 

実は、我が家では料理酒として使っていたのですが(アメリカには調理酒というものがないのでふつうのお酒を使います)、普通に飲んでももちろん飲めます! 冷やすと飲みやすいけど、ちょっと燗をした方がさらにおススメです。

 

1908年創業というと、今年で111年! 経営は変わってしまったけれど、「宝政宗」は健在。異国で生まれた日本酒として、今後もがんばってほしいものです。「宝政宗」って名前がいいよね。ラベルの宝船も必見!