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ベッタベタなフレンチコメディをワインと共に

CEUROPACORP -APIPOULAIPROD-

TF1 FILMS PRODUCTION

アデル

ファラオと復活の秘薬


20世紀初頭。世界の不思議をめぐって冒険するミステリーライターとして有名なアデル(ルイーズ・ブルゴワン)はエジプトでラムセス2世の侍医のミイラを発見する。宿敵デュールヴー(マチュー・アマルリック)の横槍も機転をきかせて危機を逃れ、無事にフランス・パリに帰還する。折しもパリは自然史博物館で復活した翼竜プテロダクティルスが街中を逃げ隠れていた。


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ベッソン版「女インディか」と興味津々でスクリーン鑑賞して以来の再見。監督引退表明していたベッソンがそれを撤回してまで挑んだ新作だけに期待が膨らんだ記憶。ところがコレ、シャレオツなフレンチコメディ。しかも超ベタなヤツ(笑)


どうしたベッソン⁉︎…なんて思ったよ、当時。コレね、絶対宣伝が悪い。フェイク狙いだったらそれはそれで良いのだが、アドベンチャー路線まっしぐらな宣材ばかりだったんじゃなかったかな。僕のように騙されて観に行くと不満は出てくるわな。


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今回、コメディだと分かって観たわけだけど、そうして観てみると案外良い。あちこちで関係ない人々があれやこれや騒いでいるのだが、それらがなんとなく収束していく群像劇。お祭り会場のあちこちでパフォーマーが思い思いの芸を披露してる感じ。


ベースにあるのがアデルの妹への想い。結果としてその想いが物語を動かす。我が道を行くアデルには諸々の人々の諸々の想いなどお構いないわけだが、例えば翼竜を追う刑事やハンターもアデルの想いなど知る由もない。それがまたフレンチらしさ。


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ブルゴワンのキャラありきの本作。ところがこの俳優、出演作の日本公開はほとんどなく、謎だらけと言っていい。「タレント」の肩書きもあるらしく、フランスではドラマなどにも出演しているので「演技もできるコメディエンヌ」枠といったあたりか。


ブルゴワン、本作公開時は30歳前。セクシーシーンを披露する度胸もあり、自由奔放、縦横無尽。映画へのこだわりが薄いのかな。貴重なコメディエンヌの逸材だけに何らかの作品でお目にかかりたい。周りを固める俳優陣も似た路線の方々なのかな。


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ベタベタなフレンチコメディ。アドベンチャーやファンタジーは期待しちゃダメ。それだけ分かって観れば、構成もキャラも十分以上に楽しめる。そういう作品も一生懸命作っちゃうベッソンの引き出しの多さと映画愛は嬉しい限り。


エンディングは続編のフリだったのか、連ドラのプロローグだったのか。10年経って音沙汰がないので、そのへんは謎のまま(笑)。…ということで、日本語吹替版でのんびり観るのもありな作品。ワインとチーズをお供におうち時間を楽しもう。



 DATA

監督・脚本・製作:リュック・ベッソン/原作:ジャック・タルディ/音楽:エリック・セラ

出演:ルイーズ・ブルゴワン/マチュー・アマルリック/ジル・ルルーシュ/ジャン=ポール・ルーヴ/フィリップ・ナオン/ニコラ・ジロー/ジャッキー・ネルセシアン/ムーサ・マースクリ/ロール・ド・クレルモン



hiroでした。



アーサーとミニモイシリーズ←ベッソンの直前作


96時間←このシリーズはベッソン脚本


フルスロットル←ウォーカー作品もベッソン脚本