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もう少し「あの頃。」感があれば…

C2020「あの頃。」製作委員会

あの頃。


バイトしながらバンドのベースを弾いていた劔(松坂桃李)。好きな音楽のはずなのに熱くなれない毎日を送っていたが、偶然入手したハロプロのアイドル松浦亜弥の音楽ソフトを見て衝撃を受ける。その足で駆け込んだCDショップで知り合ったナカウチ(芹澤興人)にハロプロのファンイベントに誘われたことをきっかけにロビ(山中崇)、西野(若葉竜也)、イトウ(コカドケンタロウ)、コズミン(仲野太賀)らハロプロオタクの面々と一緒に過ごすようになる。


C2020「あの頃。」製作委員会


映画鑑賞が趣味と言われて「最近何観た?」と嬉々として聞くと数年前に大ヒットした作品だったりする。好きだと言うならもう少し熱中しても…まあ個人差はあるけど。なのでアイドルオタク、いわゆるドルオタについても理解はしてるつもり。


つんく♂プロデュースの「モーニング娘。」に始まるアイドル集団・ハロプロ。今も人気はあるようだけど当時は「国民的」。今のガールズグループ全盛のはしりだった。本作はベーシストで漫画家でハロプロ好きの劒樹人のエッセイを映像化。初見。


C2020「あの頃。」製作委員会


ごっちんが抜けミキティが娘。に加入した頃からがピークアウトだったかな。あややもソロで全盛だったから、本作のスタートはちょうどその辺。彼らとしては「ハロプロが老若男女から俺たちの元に帰ってきた!」って時代だったのかな。


その時代にあのテンションは真正ファン。熱中できることがあると言うのは大切。ただし楽しいだけじゃなく、このままじゃいけないと感じていたという脚本は少し意外。「あの頃。」は良かったなーと懐かしくなる話なのかと思ってたので。


C2020「あの頃。」製作委員会


桃李くん思い切ったなーと思ったのも束の間。思い起こせば映画ではいい役も嫌な役もたくさんやってる桃李くん。単なるイケメンではない。二番手には太賀。このところ絶好調なのだが本作も本領発揮。嫌な役なのに桃李くんを食う存在感。


山中は使い勝手の良い名バイプレイヤー。「葛城事件」が印象的だった若葉も着実に実績を積む。ロッチコカドは初映画。味のある芹澤は出演時間多め。松浦亜弥役にはハロプロ所属の山﨑夢羽。ハロプロメンバーのコンテンツ映像は本物(たぶん)使用。


C2020「あの頃。」製作委員会


あの頃は楽しかったし、今も楽しい。なので観ていて感情が揺れない。好きなことだけやっていることを否定してる部分もあり、アイドルの存在意義も伝わらない。エッセイに物語を肉付けするのはなかなか難しい。


人の不幸や私生活をも「笑い」にするのは関西風だから? その辺も馴染めず。全体として重心をどこに置いて観ればいいのか、よくわからなかった。もう少しハロプロリスペクトが強めでもよかったな。



 DATA

監督:今泉力哉/脚本:冨永昌敬/原作:劔樹人

出演:松坂桃李/仲野太賀/山中崇/若葉竜也/芹澤興人/コカドケンタロウ/大木ヒロト/中田青渚/片山友希/山﨑夢羽/西田尚美



hiroでした。



娼年←これはなかなかの衝撃でした


湯を沸かすほどの熱い愛←桃李くんも出演


アイネクライネナハトムジーク←今泉監督作品