タケシさん。50歳。独身。サラリーマン。
【 ご相談内容 】
両親と同居しているのですが、両親共に高齢になり、介護まではいかないのですが、少し世話が必要になってきました。
父親はまだそれなりに元気なので良いのですが、母は喘息があり苦しさを息子である私に訴えてきます。
正直、私にはどうすることも出来なく、毎日辛いです。このままでは私までおかしくなりそうです。
どうすればいいですか?
【 セラピーの内容 】
まず、タケシさんにこのセラピーが終わった時、どうなっていたいかお聞きしました。
すると、
『母に良い言葉をかけられる自分になっていたい』
ということでしたので、そのゴールに向かってセラピーを進めました。
それにしても、もう疲れたと言いながらもやはり『母に良い言葉をかけられる自分になっていたい』と言われるタケシさん。立派ですね。
タケシさんの頭の中でこんがらかっている《ひとり言》を質問によって少しずつ整理していくと、
《お母さまに認められたい。いい息子と思われたい故に、心配しているフリをしている》
ということがわかってきました。
これにはタケシさんもびっくりでした。
ん?フリ?
ということは?
実際には心配していない。つまり、お母さまは大丈夫だと思っている?
どうやらそのようです。
お医者さまにかかっているし、自宅に昼間は一人で居られるということは大丈夫だと。
では、タケシさんが本当に求めているものは何なのかお聞きしてみると、しばらく考えて、
『母に認められたいんだけど、このままの結婚も出来ない自分では認めてもらえないと思ってます。
自分に自信がないんです。私は《自信》が欲しいです。』
と、《自信》を求めていることがわかりました。
自信があって、お母さまにも認められているタケシさんだったらお母さまにどのように接するかお聞きすると、
『苦しいことに注目するのではなく、今の母が楽しめることを一緒に探します。
そして、今気づいたんですが、母が毎日私に訴えてくるということは、私を認めてくれているからなんじゃないかな?と思いました!』
とタケシさん勝手にいろいろ気づいていかれました!(笑)
すでに初めとは表情が明らかに変わってきたタケシさんに、
お母さまから既に認められているとわかって自信が付いたと思いますが、更にその自信を強力なものにするためには何が必要だと思いますか?
と質問してみましたが、わからないようでしたので、私から宿題を出させていただきました。
《自分の素晴らしいところを毎日10個書き出し、それを一週間行って私に報告する》
というものです。
そして最後に、
今日帰ってからお母さまに声をかけるとすればなんと言いますか?
実際に声をかけるかどうかは置いておいて、何と言いたいですか?
と聞いてみました。すると、
『一緒にいるよ』
でした。
その言葉を言うために自分に何と声をかけますか?
と聞いてみたところ、
『一人で頑張らなくていいよ』
一人で頑張ってきたタケシさんに、もう一人のタケシさんが寄り添っているように聞こえました。
そしてこれも宿題にしました(^^)
毎日自分に『一人で頑張らなくていいよ』と声をかける。
タケシさんに
『母に良い言葉をかけられる自分になっていたい』
というゴールに近づけたかどうかお聞きしてみると、
『母に良い言葉というより、母が喜ぶ言葉をかけたいと思えるようになって、随分と体が軽くなりました』
と言っていただけて私も軽くなりました(^^)
〈担当セラピスト〉
城下 久代