統合失調症の患者さんが塗り絵をすると、
不思議な塗り方をする人がいる。
例えば、
↓の絵を見せると、
一般の人はほぼ100%の確率で四葉のクローバーと答え、緑色を塗る。
でも統合失調症の患者さんの約4割はこれが四葉のクローバーと判らず、緑色に塗ることが出来ない・・・。
ここまで漫画ちっくだと、
一般の人でも約5%くらいの人がピアノに見えない。
毛糸の手袋だとか、
毛糸の帽子をかぶってる人がルンルン♪なんて感じ?
当然統合失調症の患者さんも約3割の人がピアノに見えない。
だから黒く塗れない。
ここで疑問がひとつ・・・。
四葉と判らないから緑に塗れない。
ピアノと判らないから黒く塗れない。
これってある意味当然のこと。
だけどよく観ると、
わずかながらピアノと言えてるのに黒く塗れない人もいる・・・。
これって何故だろう?
白いピアノもあるし、
茶色でもおかしくはないか・・・。
人の顔を塗ってもらうとさらに問題は鮮明になる。
顔は一般の人、統合失調症の患者さんともに100%「顔です」と答える。
なのに約2割の統合失調症の患者さんは、
顔を肌色に塗らない。
ピンクや、
青や、
紫に塗ったりする人もいる。
何故?
お地蔵さんも同じ。
赤色のお地蔵さんや、
黄色のお地蔵さん。
4割の患者さんが灰色に塗れない・・・・。
そこで今回塗り絵を塗ってもらった一般の人と統合失調症の患者さんに、
ストループテストという注意能力を測るテストをしてもらった。
それがコレ↓
まず最初に四色の色を無作為に呈示して、
その色名をなるべく早く答えてもらう。
これは簡単。
つづいてコレ↓
今度も色を答えてもらうのだが、
さっきと違い色とは異なる色名が書かれている。
色名に惑わされずに色をなるべく早く答えるのです。
あ、赤・・いやいや青か・・。
黄色!あ、緑だ・・。
これが意外と難しい・・・。
これをやってもらうと、
統合失調症の患者さんは一般の人よりも長く時間がかかってしまう。
そして統合失調症の患者さんの中でも、
塗り絵の塗り間違いをしてしまう患者さんは、
塗り間違いをしない患者さんにくらべて、
長く時間がかかってしまった・・・。
ようするに、
統合失調症の患者さんの色の塗り間違いの問題は、
線画から対象をよく理解できないことと、
理解は出来るんだけど、
考えすぎてしまう(言語干渉)のが理由にあるらしい・・・。
面白いですね。
ちなみに塗り間違いをした人に、
何故この色を塗ったかを聞いてみた。
顔→青色 「顔色が悪いイメージで塗りました」
顔→赤色 「わらしのほっぺは赤いから」
地蔵→オレンジ 「温かみを感じるから」
地蔵→赤色 「和尚様は赤い衣を着るから」
※こういう独特の解釈や思考は、一般的に連合弛緩といった統合失調症の思考障害として述べられています。