ご自分がDVを受けているという自覚のなかったAさん。
もう20年以上もご主人が働かずに浪費や女性問題を繰り返しているのにもかかわらず、離婚しようかどうしようか、悩んでいらっしゃいました。
そのAさんの
「私が見放しちゃったら、主人は生きていかれないんじゃないかと思うんですよ。」
という言葉。
この言葉こそ、Aさんの抱えている問題が「共依存」であるということを示していますね。
日本では、特に女性は「我慢して尽くす」ことが美徳とされてきました。
尽くす相手は恋人、夫、子供、親などの身近な関係の人。
自分が尽くすことによって自分の存在価値をそこに確認しているのです。
もっと厳しく言ってしまえば、尽くすことによってしか、自分の価値を見出すことができないのです。
それはつまるところ、自分の問題と相手の問題を区別できていないのですね。
自分自身のことを全く大切にできていません。
そして、自分がいなければ夫は生きていかれない、と考えると同時に、自分もまた「夫がいないと生きていかれない」と思い込んでいるのです。
つまり、こんな夫でも、誰もいないよりはマシだ、ということなんですね。
Aさんのように、夫の女性問題の後始末をするということは、ますます夫を「ダメな人間」にしてしまっているのに、それに気づかない。
そして、そんなに尽くしている自分を、いつか夫は大事にしてくれるかもしれない、心を入れ替えてくれるかもしれない、と期待しているのでしょうね。
「いつかは・・・」と思うから、別れることを決断できない。
これが共依存からなかなか逃れられない負のスパイラルというわけなのです。
果たしてその夫が心を入れ替えてくれる日は来るのでしょうか?
もしかしたら、Aさんが息を引き取る寸前になって「悪かったね。」と手を握って言ってくれるかもしれません。
それが本望だというのなら、悩むのはもうここでやめて、どうぞこれまでの生活を繰り返したら良いと思います。
でも、50代のAさんの人生はまだまだ20年も30年もあるのですよね。
夫と別れたら自分は一人ぼっちになってしまうかもしれない。
新しいパートナーなんて見つかるはずもない。
それなら、こんな夫でもいないよりはマシ。
そう、自己評価がとても低いので自分に自信がもてずにいるのです。
だから相手に尽くしたり世話を焼いたりして、自分の価値を高めようとするのですね。
「あなたにこんなに尽くせるのは私しかいないのよ。」
あなたの人生はあなたのもの。
そして、夫の人生は夫のもの。
あなたの一度しかない大切な人生を、夫にグチャグチャに踏みつぶされている、ということに、一日でも早く気づいてほしいな、と切に願う私なのでした。
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