毒キノコには黄土水(東醫寶鑑~体・宇宙・生のビジョン5) | 東洋哲学・真髄探求ブログ

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自分が実体験してみて本当だったと確認出来た数々の出来事の記録と、物事の本当の真髄は何なのか?探求しています。
(2008年から書いてますが2019年にほとんど消して残すものだけ再掲載しましたので、年代があわないものが多いです、ご了承ください)

『朝鮮時代の一話、陰暦6月15日婦人たちが断俗寺へ遊びに行き、昼食の時キノコで汁物を作り食べた。食事が終わりみな笑いだし、抱き合い、転がりながら笑いずっと止まらなかった。寺の老僧が薬を煎じてくれたが、その薬を飲むやいなやすぐに笑いは止まった。その薬は雨が止んだあとの山道の足跡にたまっていた泥水を煎じたものだった。きのこが笑いを起こさせる陽気に該当するならば、雨の降ったあとの泥水はその山の陰気が溶けて薬水になる原理を活用しているものだ。老僧が言うには“この山で病気になったならその病気を治す薬も必ずこの山のどこかにあるということは天地調和の摂理だ。”』


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この黄土水の薬名は“地漿(チジャン・解毒水)”  


性質は冷たく毒はない、中毒による苦しい症状と色々な毒を解く。山の中の毒キノコはゆでて食べると必ず死ぬ。またモミジの木キノコは食べると笑い続けたまま死ぬ。この時“地漿”を飲めばみな治る。他の薬では生かすことが出来ない。黄土がある土地を掘って穴を作り水を入れかき混ぜ濁らせる。少し後で上澄みの水をすくって飲む。


そのほかにいろんな薬水がある、たとえば陰陽湯は沸かしたお湯と汲んできた水を混ぜて作る、熱い水は下へ、冷たい水は上へ、水昇火降が起き水の分子が活性化され薬水になる。毎日起きたときに、陰陽湯を飲むことも養生法のひとつ。


その他、朝一番で汲んできた水や泡だてた水その他諸々・・・各種用法が違うようだ。ドラマホジュンの中でいろいろな水カメがあり中身は見た目には同じ水でも使い道が違うという話だったような。そういえばチャングムの中でも、育ててくれたサングンがチャングムに何度も水を運ばせた、いくら汲んできても、また汲みに行かされる・・・・あるとき、母親とのやり取りを思いだし、サングンに聞く“もしかしておなかが痛くはなかったでしょうか?”(内容はあまりよく覚えてないが)とにかく、相手の状態を聞き、それにあわせた湯を持ってサングンにOKをもらったのではなかっただろうか?


同じ水、お湯でもその飲む人に合ったものを出す、それが食べ物を作る側の基本心得だという意図だったように思う。あのドラマのテーマは薬膳だったが水ひとつも用法がわかれば特効薬にもなるということ。


以前韓ドラの話の中で儒教の教師と生徒のやりとりを書いた。『問いの中に答えあり』


唯一教師に向かってなぜこんなくだらないことに時間を使うのか?と授業を批判し疑問を持った生徒のみに合格点を与える。その理由が質問をする、疑問を持つことで、人はその先も自分で答えを見つけることができるという。師匠というものも時間がたてば消えていくもの、先は一人で道を極めていくわけだが、いつどこでどんな環境でも、疑問さえもてば必ず答えは与えられるもの、昨日引用した内容のとおり、問いの中に答えが内在しているから、故に求めよ、求めることがその人を救う唯一の方法だ。思考の枠にとらわれて全てを自分は知ってると思った途端、もうそれ以上の発展や悟りはない、死んだも同然。それよりもいつも違う視点で物事を見ることのできる柔軟さを持っていれれば無限大の自由を楽しむことができるということ。


・・・ドラマホジュンの中で、伝染病が大流行しそれ以上の拡散を防ぐため村々を閉鎖していくが、“梅”で治療できると見つけたときには(たしか梅だったはず)視聴者も感動したと思う。ホジュンさんみたいに真剣に求めてくれる人がいれば、そこに答えが必ず準備されるものなんだろう。