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出張鉄道旅 ~指宿枕崎線~

お久しぶりです。アイビー君です。

もうブログ書く度に毎回お久しぶりですという感じですが、まぁそこは大目に見て下さい。

 

前回5月に第二子誕生を報告しましたが、少ないお小遣いでなんとか生活しております。バイク乗りたい。

 

さて、7/27~7/28に鹿児島へ出張して参りました。もちろん仕事の事なんて書く気もないので早々に終わらせた後の鉄道旅について書いてみました。暇潰しにでもご覧ください。

 

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7/28(金)薄曇り。

 

出張としてやるべき仕事を午前中早々に終わらせてホテルに戻り、預けた荷物から私服に着替えさせてもらいます。出張に来ているのに私服持参とはハナから遊ぶ気満々という証拠ですが、真夏の鹿児島、重苦しいスーツから解放された私は足取りも軽くそのまま鹿児島中央駅へ向かいます。

 

目的はJR九州が持つ指宿枕崎線の走破にあります。

 

<指宿枕崎線路線図。営業キロは87.8km。薩摩半島を鹿児島湾に沿うように走る>

 

ここ最近、30も後半を超えてから鉄道旅に魅力を覚え始めました。

昨年の今頃に青春18きっぷを使い、会社仲間4人と自宅がある千葉から青森の弘前までを約17時間かけて走破。記事にかけなかったのは残念なのですが、その過酷な鉄旅で自分の中で何かが覚醒してしまいました。

 

そうそう行く時間も取れないんですが、今回の鹿児島出張で私はどうしてもこの線区に乗りたくなってしまい、普通?の観光客があまりしないであろう乗り鉄旅に思いを馳せてみどりの窓口でマルスを叩いてもらったのでした。

 

<乗車する特急「指宿のたまて箱」。JR九州が運行するデザインナー水戸岡鋭治さんが携わった観光特急>

 

当初は鈍行で終着の枕崎までを目指そうと思案していたんですが、時刻表を調べてみるとこの観光特急が途中の指宿まで運行されていることに気付きました。

 

<左側赤字、指宿のたまて箱3号で11:57鹿児島中央発、12:47指宿着。13:18指宿発の普通列車へ乗り換え14:31に終点枕崎着予定>

 

鉄道旅をしようと思うとき、手元にある携帯電話の乗り換えアプリでもその役目を果たしてくれます。けれどこういった観光特急の情報や、途中停車駅、後発への乗り換えタイミングというのは未だ時刻表に分があります。時刻表を持ち歩くのは重くて大変(コンパクト版もありますが)ですが、ちょっとした調べものならば駅に備え付けの時刻表を活用してみて下さい。

 

みどりの窓口には必ず置いてありますし、駅窓口に声をかければ見せてくれます。携帯電話では分からない意外な発見があったりします。

 

<車内は木目調で統一されいかにも観光列車という雰囲気>

 

木を使う車両は日焼けによる木調の変化で経年による独特の味わいがあります。

夏休み期間中とはいえ平日のせいか乗車率は半分程でしたが、観光列車というお題目で運行されるだけあって乗客は記念撮影や車内設備を珍しそうに見て回って、こちらの旅行気分も盛り上がります。あ、出張中でした。。。

 

 

こんな帽子を被って記念撮影も出来ます。そんな勇気が無い私は写真撮影のみ。可愛いアテンダントさんが記念撮影しますか?と笑顔で誘ってくれましたが、照れ屋な私は引きつった笑顔で遠慮するのが精一杯なのでした。

 

<この列車が目指す指宿は竜宮城伝説に纏わるお話があり、車内には鮮やかなポスターが飾られる>

 

<11:57、定刻通り鹿児島中央を発車。15分程で鹿児島湾沿いを走る>

 

私は観光列車というものに今回初めて乗ってみたのですが、想像以上に「観光」という雰囲気で驚きました。車内設備は勿論、ことあるごとにアテンダントさんから景色や観光情報などのアナウンスがあり、勝手に想像していた静かにゆったりという車内ではなく、楽しく賑やかな空気に包まれていました。

 

<あっという間に終着の指宿に到着。鹿児島中央からの乗車時間は50分>

 

初めての観光列車の雰囲気を楽しみながら車窓を眺めていたら50分という時間はあっという間。もう少し乗っていたい気持ちを残して、ここで枕崎行きの普通列車まで31分の接続待ち。

 

<駅構内にあった竜宮写真館と題した写真展示スペース。鮮やかな青が南国らしさを感じさせてくれる>

 

<指宿駅舎。古さを感じない立派な造り>

 

鹿児島県内でも有数の観光地なだけあって、駅舎はしっかりと整備されていてトイレも清潔でした。スマートフォンアプリで「いぶすきアプリ」なるものまであって、観光客に対しての情報発信に努力しているのがしっかり伝わってきました。

 

加えて先ほどの特急列車で間もなく指宿駅というその時に、アナウンスで左手を見るように促されその通りにしてみると、芝生に20人はいるであろう子供からお年寄りまでが列車に向かって歓迎の旗を振っていました。これには正直驚いてアナログな仕掛けに素直に感動してしまい、思わず手を振り返してしまったのでした。

 

鹿児島中央から指宿方面へは毎日3本が運行されていて、普段は市役所の方が時刻に合わせてわざわざこの場所で旗を振り、今時期は夏休み中の子供が加わっているとの事。気持ちが見える瞬間を造り出す事はてそうそう出来る事ではありません。こういう努力には胸を打たれます。

 

<駅前には足湯。指宿といえば温泉ですから、夏の暑さに構わず有難く入湯>

 

<13:18 普通枕崎行が入線。この列車は12:05鹿児島中央発で私が乗った特急の後発列車でもあった>

 

終点枕崎までは1時間13分の所要で14:31着予定。入線した列車を見て思うのは、特急指宿のたまて箱と同じ形式だという事。キハ47という形式なんですが、実はとても古い車両で30年以上が経過しています。採算性が低い地方路線ではまだ現役で、一方は特急電車という化粧をし、一方は普通列車のまま頑張って走り続けています。

 

それでも交換時期は近いでしょう。アルミ車両に置き換わる日はは遠くないと思います。鉄製の重厚さ、窓が開いて扇風機が回る、そんな懐かしい車両に乗ることも鉄道旅の目的の1つだったりします。

 

<13:37 この旅で最も見たかった光景と言っても良い西大山駅に着く。写真の通り日本最南端の駅、目前には開聞岳が美しくその雄姿を現してくれた>

 

いつだったかTVでこの開聞岳を背景に走るキハ47を見て、その映像がとても印象に残っていました。いつかこの景色を見てみたいと思っていて、車窓から開聞岳が見えた時、念願叶った私は小躍りする程に嬉しくて、その光景に暫く見惚れていました。

 

ここ西大山駅で写真を撮っている時間は無いと諦めていたのですが、車内放送で撮影時間として2分の停車をすると案内があった時、良し!と握りこぶしをした記憶があります(笑)

 

<最東西南北を纏めた記念看板。先端好きには全てを制覇をしたい>

 

小さく狭い西大山駅のホームに列車が滑り込んだ時、溢れる程の観光客が列車を待ち構えて写真を撮りまくっていたのには予想外の光景に圧倒されました。その人波を縫って誰もないような写真が撮れたのはちょっとした達成感があったりします。

 

バスやレンタカーで来る観光客に何の不満がある分けではありませんが、鉄道会社としては困っているんじゃないかと思う。列車の時刻に合わせて駅に来て、それが終われば蜘蛛の子散らすようにいなくなってしまいます。人が来ればゴミを出すしトイレだって使う。設備維持の費用は増えるのに切符を買う分けでもないから鉄道会社にお金は入らない。乗客は少ないからいつまで経っても地方路線は火の車です。話題性はあるのだから鉄道会社はどうにか工夫をして列車に乗らない観光客から路線維持に役立つ収入を得て欲しいと思います。

 

<富士山を連想させる開聞岳の美しい稜線。別名、薩摩富士とも呼ばれる>

 

快晴とはなりませんでしたが、雨予報も出ていた中で薄曇りに晴れ間が覗きます。エアコンが充分に効かないやや蒸し暑さを感じる列車から景色を見ていると夏の鉄道旅をしていることを改めて実感し、季節を体感出来ていることに嬉しさを感じました。

 

開聞岳を過ぎてからは海とは少しだけ離れて、畑が広がる長閑な景色の中を列車は走り、終点の枕崎を目指します。

 

<14:31 定刻通り終点枕崎駅へ到着。ここまで来る観光客は僅かな数しかいない>

 

列車を降りた私は遠いところまで来た感覚と、本州最南端の始発・終着駅に来れたという、例えるなら山登りをして山頂についたような高揚感を得ていました。

 

<駅構内にあった立派な駅名札。達筆で書かれた脇には小さく三十六代木村庄之助の文字>

 

木村庄之助と言えば、大相撲で結びの一番を取る際に仕切る有名な行司。何故こんな最果ての地に名前がと思えば、三十六代はここ枕崎町出身と知りました。最南端の小さな駅と大相撲とに意外な繋がりを学びました。

 

指宿枕崎線を完乗した私は小さくも心地良い達成感に満足していましたが、今日の飛行機で千葉の自宅まで帰らなければいけません。鹿児島中央へ戻る折り返し列車の発車時刻は16:03。枕崎で与えられた滞在時間は約1時間半しかありません。

 

昼も取らずにここまで来てしまったので、ならば枕崎名物の鰹にありつきたいと駅前を軽く探索してみましたが、この15時前後という時間はランチ営業を終えたお店が夜の仕込みに入る頃合い。目につくお店は準備中の看板ばかり。

 

それでも駅前の観光案内所でどこか鰹が食べられる美味しいお店は無いかと尋ねてみると、この時間で1店舗だけあったはずだと、すぐにそのお店へ電話をしてくれて、私が入店出来るように手配して頂けたのでした。地元の方のありがたいご厚意、これも旅の醍醐味の一つ。

 

<駅前の大通りから徒歩5分程の距離を歩く>

 

最南端の駅前はもっと田舎の風景が広がっていると失礼ながら思っていたのですが、予想は外れてしっかりとした街並みが広がっていました。しかし広い歩道を歩く人は私一人で車通りも少なく、街並みに対しての人の密度の薄さが逆に寂しさを感じさせました。

 

<やってきたのは「だいとく」というお店>

 

鰹が名物の枕崎とはいえ、名物に美味いもの無しという言葉がある通り、地産が不明でがっかりしてしまう食事処は有名観光地で乱立しています。しかしここのお店の入口には「地産地消推進店」としっかりと銘打たれていて、それを裏付けるように美味しい鰹を頂く事が出来ました。

 

<注文したのは枕崎鰹船人めしSP、なるもの>

 

メニュー名からは全く内容が想像できませんが、鰹の風味が詰まったお出汁を丼にかけてお茶漬けのように頂けるもの。鰹煎餅と鰹のごまマヨあえ、追い鰹は本枯れ節の削り節、とこれでもかくらいに枕崎産の鰹が詰まっています。あれこれ悩んだ挙句このメニューに決めたのですが、これとは別に鰹のお刺身も頂けば良かったと今になって思うほど枕崎の味を堪能出来ました。

 

遅い昼食をゆっくりと取り、ビールも飲んで出来上がった私は元来た道をふらふらと戻ります。人気の無い寂しい街並みを歩きながら、もっと賑わってもいいのではと思える魅力が枕崎にはあるように感じました。

 

そもそも、ここへ来る途中に乗ってきた指宿までの特急観光列車を枕崎まで運行させるような気概が欲しい。既にJR九州へ交渉したのかもしれないけれど、あの列車を鹿児島中央から1時間に満たない指宿で折り返させてしまうのは勿体無い。

 

九州でも有数の都市である鹿児島から枕崎まで観光特急が走れば自ずと人の流れは出来る分けで、そこに釣り合う魅力が提供出来る町だと思えます。観光客は奪い合い、指宿に負けずここ枕崎も頑張って欲しいと、ビール1杯で出来上がった酔っ払いは戯言を思うのでした。

 

<16:03 枕崎発、鹿児島中央行の普通列車に乗車>

 

最南端の駅にいながら、ここから千葉の自宅まで今日帰るのだという、いまいちピンとこない距離感に可笑しくなってしまいます。こういう事を楽しめてしまう性格なのだから我ながら自分が不思議に思えてしまいますが、それでも大多数の人がやらないであろう体験をしている事が自分の財産だったりします。

 

定刻通り発車した列車は僅かな乗客を乗せて鹿児島中央を目指します。それでも指宿を過ぎてから通学や通勤であろうお客さんで徐々に車内は混みだしてきました。

 

途中駅で中学生くらいの男の子が降りた。出発する列車に並走して思い切り走って車内の友達に手を振っている。狭く短いホームはすぐに行き止まり、男の子の満面の笑顔は数秒で見えなくなってしまった。いつからか分からないけど、こうした純粋な情景に心を打たれるようになっている。都心では見ることの出来ない光景だからか将又歳のせいか。いつもの通勤では携帯電話に目を落とし勝ちだけど、この旅ではそれも殆ど無かった。

 

陽が傾いてきてオレンジ色の太陽が山を照らす。開いたドアからは蝉の鳴き声が聞こえる。季節を実感して鉄道に乗ることが普段どれだけあるだろうかと思うし、それが出来ている今が嬉しい。暑くも爽やかな夏の鉄道旅が出来た。

 

18:41 鹿児島中央に到着。ホテルで荷物を受け取り空港連絡バス乗り場へ。

 

チケットを買うと同時に19:00発のエアポートバスが滑り込んできた。後発のバスでもいいかなとのんびりしていましたが、息を切らして乗ってきた乗客の姿にまさかと思い時刻表を調べてみると、このバスが空港行きの最終バスとなっていました。鹿児島空港は街から遠く離れた山の中、交通手段はこのエアポートバスしかない。冷や汗かきながら間に合っていて良かったと安堵するのでした。

 

鹿児島空港に戻ってきたら雨が降っていた。ここまで天気がもってくれて本当に良かった。

 

20:40 ANA3782便で羽田空港へ。

 

22::30 羽田空港に到着。

 

23:10 エアポートバスで地元千葉へ。

 

00:05 帰宅。

 

枕崎から千葉の自宅までは通勤時間8時間でした(笑)

 

 

お疲れ様でした・・・ヾ( ´ー`)タノシカッタ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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