いよいよ明日は海兵隊マラソンということで、女公様はゼッケンのピックアップに行ってきた。
アメリカのマラソン大会は、レース前日までにピックアップを済まさなくてはならない大会が少なくない。
日本のレースのように、事前にゼッケンやTシャツを自宅に送ってくれるというシステムは、確立していないようだ。
女公様は、アメリカに来て以来、今回が5回目のレースだが、まだ一度も事前送付というケースはなかった。
これまではいずれも小さなスポーツショップの店内が引き換え場所になっていたので、今回も、
しち面倒くせぇシステムだぁな。
と思いながら、大した期待もせず、指定された場所にゼッケンを受け取りに出かけて行った。
ニューヨークからわざわざ海兵隊マラソンを走るためにやってくるモノ好きな捨石屋ステイシーとの待ち合わせが唯一の楽しみといえば楽しみである。
だが行ってみて驚いた。
引き換え場が一大イベント会場と化している。
ランニング・ウェアやシューズのブースはもちろん、機能性ドリンクやエナジー・バーなどの試食コーナーがたくさんあり、スポンサーらしきNISSANの車まで展示されている。
捨石屋から少し遅れるという連絡が入った。
捨石屋は女公様でさえ優越感を感じるほどの方向音痴だからおおかた途中で道にでも迷っているのだろう。
展示場がおもしろくて、いくらでも時間をつぶせるので、女公様的には全く問題ない。
海兵隊マラソンだけあって、ゼッケンの引き換えを担当しているのは海兵隊の制服を来た現役の軍人である。
ようやく落ち合えた捨石屋と女公様が、嬉々として明日走るコースの話なんぞをしながらブースを回っていると、一緒に来ていた妹さんが、
ほんま、走る人たちってクレイジーやわ~。
とつぶやいた。同感である。
あきれられついでに、なんのキャラクターかよくわからないキャラ達と記念撮影してもらう。
帰って来て、Tシャツと一緒にもらった袋を開けてみると、信じられないくらいいろいろなものが入っていた。
海兵隊の本、冷却用包帯、エナジーバー、フルーツヨーグルト、パイナップルの砂糖漬け、機能性ポテチ、エナジージェリービーンズ、マッサージクリーム、目薬等々である。
くれるものの量が多いから前日ピックアップにしているのか、前日ピックアップだからこれだけの量を持たせられるのか、どっちがにわとりで卵なのかよくわからない。
日本のようにレース当日にたくさんブースを出すのと、レース前日にこのようなイベントにしてしまうのとでは、どちらが売り上げが多いのかもよくわからない。
ただ、レース当日は走ることに集中するという意味では、すべてを前日までにすませておく方が、主催者側もランナーも楽なのかもしれない。
帰りの電車で、女公様がもっている袋を見て、
明日走りますのん?
とランナーと思しき人が話しかけてきた。前回の海兵隊マラソンのTシャツを着ていたので、女公様は気になっていた質問をぶつけてみた。
海兵隊マラソンってのは、仮装ランナーはいっぺぇおりやすかね。
そんなぎょうさんはおらしまへんで。数人(a few)ってとこやろか。
え、数人?そんな少ねぇんですかい?
てか、数千人ですわ(a few thousands)。
・・・(おいおい、驚かすねぃ)。
ということで、明日、女公様は予定通り、ケバい恰好で走るつもりである。
楽しいレポートをお送りできるよう、まずは女公様自身が楽しんで走りたい。