職人 | 戦士! 一夢庵

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最近、とある本を入手した。
とても興味深いので、珍しくまじめに読んでいる。
読んでも忘れてしまうので、覚書を作ることにした。

まだ無いものなら、私がつくりましょう

職人の本質は創造性。これまでになかったものを創り出したいという欲求である。
創造性を支えるのは『発明』と『技術』である。

職人は『順序』の軸にあるので、自分の生きるその場が、活動の主な範囲となる。自分の発明・発案は、新しい形式やその場の雰囲気を作ることに使う。
職人の性質は、生活のすべてが新奇なものを描くためのキャンバスのようなものと言う言葉で表される。

職人は物とともにその場の雰囲気も作る力があり、職人の魂を持つ人がいるだけで(だたいるだけでも)その場の雰囲気も、その場にいる人の表現力をも一変させることもある。

職人は、流動的で変化に富む状況を好むので、いろんな仕事を同時に手掛けることもできる一方で、必ずしもそれをやり遂げる能力があるとは限らない。
新しいものを創り出すのが好きで、それができない状況が続くと欲求不満で落ち込んだり、苛立ったりするので、仕事をやり遂げる上での地道な活動が苦手だからである。また、次々に浮かび上がる発想に追われるような形で、一つの仕事をやり遂げる時間が無いということもある。

繰り返しになるが、職人はモノを作るだけでなく、思想や雰囲気、心理的な環境、構想なども作り出すが、例えば若年期の職人は、主に物質的なものに特化する傾向がある。

職人は、その場に合わせた態度をとるのが得意で、概して演技が上手である。そのために職人を見つけることは困難と言われている。ただし、職人は飽きっぽい性質から、演技をし続けることは滅多にないとのことである。

職人は、補完関係にある『賢者』と相性が良く、『聖職者』とも気が合う一方で、『戦士』とは相性が悪く、時として恐怖を覚えるとのことである。
堅実・集中的・真正面から立ち向かうと言った『戦士』の姿勢は、職人とは正反対であることに由来するそうである。

余談ではあるが、昔の仕事上の相方はどう見ても職人で、斬新な発想で多くの課題をこなしてきたものの、オチをつけることなく手を広げてカオスと化してしまう癖があった。私は彼を怒鳴りつけて仕事を完結させたのであったが、彼は間違いなく私を怖がっていた。
ある時から彼が発想し、現実的な解決に向けてのアイデアを私が出すといった役割分担が成立すると強力なコンビネーションを生み出して『最強タッグ』と呼ばれた。
普通にしていれば最悪の相性がかみ合えば、こういうこともあるということである。

『王』と職人は助け合う関係にあり、仕事やプライベートなどのあらゆる場面で良きパートナーとなる。

職人の想像力は時として事実を脚色するという行動を生み出すことがあるらしい。これは悪意からではなく、単に話を創造せずにはいられない性質のために『ついつい盛ってしまう』と言うことである。

職人の全人口に対する割合は 18% 程度で、特にアメリカには多く分布(人口の約 30%)する。
職人は、先進的な感性を持つことから、時代のパイオニアになる一方で、他の役割の人たちとの関係の中で誤解されていると感じたり、孤独になったりすることもある。そして、職人同士で親睦を深めたり助け合ったりもするが、職人同士でも互いを理解できるとはかぎらない。


<職人の魂を持つ有名人>
ウォルター・ローリー卿、フランク・ロイド・ライト、ウィリアム・ブレイク、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ、ウォルト・ホイットマン、ラファエロ・サンティ、ミケランジェロ、ジョージ・ルーカス、ゲーテ、トマス・ジェファーソン、モーツァルト、エドガー・アラン・ポー、レオナルド・ダ・ヴィンチ


<陽極>
自発的、革新的、想像力豊か、予見力がある、創意工夫する、ムードメイカー、個性的、他の役割よりも『本質』が大きい、進取性、カオスを生む(そのカオスを『戦士』が体系化する)、父性的


<陰極>
完全に混乱している、人を惑わせる、無責任、気分屋、わがまま、不誠実、衝動的、奇怪、他の役割と比べて感情的なのでひどい鬱状態になりやすい、軟弱、意思が弱い、他の人にされるがままになり自分の力を放棄する


以上が職人である。個人的には職人の役割の方たちを見ていると、個性的で魅力的な方が多く、見ていてとても楽しいのである。戦士としては恐怖の対象なのが残念である。

さて、この次は『賢者』についてであるが、それは次回の講釈で。