ナチス政権下の映画なのだけど、
残酷なシーンや、大きな効果音がないのが意外だった。
その分、子供目線から見る当時の情景が
痛いくらい伝わって来て、苦しかった。
純粋で無知な子供が、
大人が顔を曇らせる「それ」に何度も触れようとするけど
言葉を濁されるだけで。
「それ」がおかしい、という事は分かっているはずなのに
大人達の陰謀は止まるどころか、さらに拍車がかかっていく。
その先に待っているのが、この映画の衝撃のラスト。
暴走列車を止める為に、
結局は、子供が犠牲になっていく。
どうして、人は、叫ぶくらいの痛みを伴わないと
その過ちに気づけないのだろう。