前のブログから転載



「15年ネチネチ」について色々と解説してみようと思います

ネタバレを含みますのでまだ観ていない方はぜひ観てからに。

そしてこの解説を読んで楽しんでいただけることもあれば蛇足と感じる方もいらっしゃると思います

もうあの曲は俺の中では完結してるぜ!って人は見ない方がいいかもしれません

じゃあ↓からはじめます














そもそもこの曲は私の中ではおまけでアップしたものです

それはこの曲の歌詞にいまいち納得していなかったから、というかしっくり来なかったからと言いますか

ざっくり言うと人が死ぬ話なんて悲しくて当たり前だから卑怯だろうっていう考えが強くてですね

さらにニコニコにはアップしていない曲(絶賛通販中のCDに収録されている「荻窪で豚を養う」という曲)で私は一匹の豚を殺しているのでもういいだろうと

そんな風に思ってアップに踏み切れなかったんですよ。ボーカル以外は完成していたにもかかわらず。

もちろん、ただ恋人が死ぬ話にならないように相手が死んでいることは最後までバラさず、むしろ最初の方では笑いをとって油断させて、1回目と2回目で聴いた印象がガラッと変わるように、そんな風なことを考えて歌詞を構成していきました

それでも自分の中での「人が死ぬ話NG」を超えられなくてですね。

でも翌日全然別の所でとてもショッキングな出来事が起こって半ば自暴自棄になり

「もういいやー、ボーカル以外はできてんだし完成させてアップしちゃおー」と

軽い気持ちでアップしたらこの結果ですよ!

どうなるかわからんものです。

まあそんな経緯はどうでもいいですね

作ってる上でいろいろこだわった所をだらだら書きます。



まず「1年につき4行」というルール

なんていうか主人公のネチネチ感を演出するために何年も同じことを繰り返させたかったんですよ

だからメロディーもずっと同じ。

私は歌詞に合わせてメロディーを考えていくタイプなので

例えば1番と2番で歌詞の文字数が合わないっていうときは普段なら歌詞はそのままにメロディーの方を1番と2番で変えちゃうんですよ

それが今回は極力メロディーをずっと同じにしていたかったから歌詞の文字数の方を調節したんですよ(そうじゃない場所も結構ありましたけど)

完成直前まで歌詞が細かく変化したせいで動画を作る時に歌詞を間違えてしまったわけです。それは本当にすいません



1~6年目はとにかくコミカルに、それでいて2回目聴く時には泣けるように

ここら辺は特に相手が亡くなってから日が浅いわけですから

1~2年目ががむしゃらっていうのは実はすごく悲しい描写だったんだっていう風にしたかったんです

3~4年目は彼のポエムが世間に評価されていくという。1周目ならえ~?だけど2周目なら美談として評価されたのかな~って感じで

まあいずれにしても粘着質で気持ち悪いんですがww

5~6年目は生活のすべてを投げ打っている描写を持ってきました

世間に評価されていくのに主人公は変わらず一人きりでいること、体を壊してもやめることはないこと




サビの歌詞はずっと一緒っていうのも意識的にやりました 思いつかなかったわけじゃなくてw

主人公の気持ちが変化していないっていう描写のつもりです

メロディーも伴奏も底抜けに明るくしてオチとのギャップを作りました

サビはハモリをつけようかとも思ったのですが主人公を一人きりにしておいた方がいいと思ってやめました。





7~8年目に出てくる例えを解説してみましょう

エクストリームアイロンかけは実在するスポーツでwikipediaにも載っているしyoutubeに動画もあります。要はあり得ない場所でアイロンをかけて楽しむスポーツです。

複素内積空間は正直よく知りませんww小難しい印象だけ与えられればいいと思ってました

幕下16枚目の全勝優勝、これは完全に私の趣味なのですが相撲の話です

相撲はテレビでやっている上位リーグだけではなく下位リーグがいっぱいあります

幕下っていうの下位リーグの中では一番上で、幕下の中の上の方の地位(番付)に居る時にいっぱい勝つと上位に上がれます

番付が上なほど少ない勝ち数でも上位リーグに上がれるのですが

全勝しても上位リーグに上がることができないギリギリの番付が幕下16枚目なわけです

つまり厳しい戦いを完璧に戦い抜いたのに一歩届かないっていう様子を「幕下16枚目の全勝優勝」っていうフレーズに込めたかったわけです

最後にAMPA型グルタミン受容体ですが、これはざっくり言うと神経細胞と神経細胞を繋ぐ役割をするものです

実はこれは伏線って程のものではないけど何となく今後の展開に関係あるものでした

ごまかすためにわざわざ2年分使って意味の分からない単語を4つ並べたわけです

このAMPA型グルタミン受容体は記憶に関係あるものだと言われていたはず。多分。

別にAMPA型グルタミン受容体がどうこうなると記憶喪失になるってわけではないとは思いますが、マウスを使った実験とかでAMPA型グルタミン受容体をいじったら記憶障害(忘れるのではなく覚えられなくなる方)が起きたとか

すっごい曖昧な理解だから間違ってる可能性が高いんだけどとにかく記憶に関する話を持ってくる布石だったわけです



そして9年目事故にあいます

これが本当に事故なのか疑ってみるのも面白いなーとなんとなく思いました

答えは私は決めません



記憶を失ってから

ここから「なんか様子がおかしいぞ」と思ってもらえるように笑いは全カットです

主人公の粘着っぷりと「君」に対する希望を散々盛り上げた挙げ句「君」を死なせました

記憶が戻った後の描写をどれだけすればいいかがこの曲で一番悩んだとこです

はっきり「君」と主人公の関係を描いちゃうパターンも考えて

ただ主人公が悲しむ描写だけで終わらせるパターンも考えて

最終的には主人公の負の感情をあえて一切描写しないパターンにしました

「君はまたいなくなった」の"また"に全部を集約させて後は聴く人に解釈してもらおうと

だから二人がどんな関係だったかとかは皆さんの想像に丸投げです



曲の一番最後、「ブツッ」って音で終わります 小さいですけど

この先があるのかここで終わりなのか どっちとも取れるかと思います

やっぱり皆さんの想像に丸投げです



最後にサムネ

ハートをあんまりキレイに描かなかったのは主人公の愛情表現が行き過ぎてて気持ち悪いからw

色が枠をはみ出しているのは主人公の愛情表現は人並みはずれて気持ち悪いからw

いろんなピンクをつかった理由はまあ、大したことないことですけど内緒にしておきます






そんな感じでした

改めて文章にしてみるとすげぇがんばってんじゃん俺!何ボツとかおまけとか言ってんだろう!

長くなりましたがここまで読んでくださってありがとうございました。読んだ後もう一回聴いてもらえたらうれしいです