済州島「世界韓国語雄弁大会」~大会編 | アイケーブリッジ外語学院 幡野泉のブログ

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虎ノ門のアイケーブリッジ外語学院、幡野です。韓国留学後、韓国語学校を設立。中国語やロシア語講座も開始。海外の文化、言語が好きで、橋渡し業に使命感を抱いています。仕事のこと、プライベートのこと自由に書いています。

さて、いよいよこの旅メインの大会の日がやってきましたひらめき電球



※「世界韓国語雄弁大会」について、7年前の13回大会に出場したときのレポートを、当時「All About 韓国語」の記事にまとめました。独特の雄弁スタイルの由来についても言及しています。是非ご覧ください(こちら )。



会場は「済州ソルムン大女性文化センター」の講演会場。立派なホールです。ホールのある4階からは海も見えます波






警察音楽隊の演奏、オカリナのパフォーマンス、そして大がかりなセレモニーがありました。

大会開始。まずは海外弁士から。




前回もそうでしたが、僑胞(在海外韓国人)を含む海外弁士達の発表のテーマが多岐にわたり、とても面白い。自身も海外から韓国を見ているからかも知れません。



韓国と北朝鮮の統一を願う話から、韓国の食文化や言語文化に触れたもの、韓国人の国民性に触れたものなど様々です。



7年前に比べ、例の雄弁スタイルを取り入れて発表する海外弁士が増えてきたのと、何より驚いたのは、その韓国語が格段にレベルアップしていることビックリマーク


7年前は、両親が韓国人などの僑胞たち以外の、いわゆる外国人弁士の韓国語は、その国の言語の訛りを残したまま話している人がほとんどだったのが、いまや「目をつむれば韓国人の韓国語に聞こえる」というような発表が増えていましたアップ



観光の道中や食事のときに話していて分かったのですが、海外弁士たちのほとんどは、韓国語を大学等で専攻しているだけでなく、K-POPが大好き音譜 中には、旅行で滞在したり、留学経験のある海外弁士もいました。



話していて実感したのは、K-POPの東南アジアでの広がり、そしてその影響力。韓国語学科を持つ海外の大学の増加、指導者の充実。韓国を訪れる観光客や留学生の増加などです。



運営面で少し残念だったのは、セレモニーが長かったので、大会の開始が11時くらいになり、最初に開始された海外弁士達の発表途中で、昼食の案内が行われたこと。


海外弁士が演説をしている合間に、「昼食は各自食券をもらって、指定の食堂に行くように」というアナウンスがされたので、そこで会場のほとんどの人が退出してしまいました。そう、韓国は食事が大切なので仕方ないことですが、中には直行便がなく十何時間も掛けて来た海外弁士もいるのにガランとなった会場で発表、となり、残念に思いました。


私が出場したときは、全員に一斉に1時間の休憩が与えられ、ロビーでお弁当を食べたのですが、この日は弁士が多かったこと等による時間の関係とかで、休憩無しで大会が進められたのです。


また、海外弁士と併せ、僑胞の弁士も最初に行われる予定が、何らかの都合で発表順序が変更になり、次は韓国人弁士社会人の部になると言われたので、いつ発表になるか分からないからと、海外弁士の発表が終わった時に僑胞の部に出られるヨンスンさんと、「じゃあ、私たちも昼食を……」と、食堂に行きました。


結果、今回最も会話を交わした韓国人社会人の部の方々の発表は見ることができませんでした。一日の予定が分からず、そしてまた変更になるので、こちらの予定もうまく回らないもどかしさがありました。セレモニーの時間を削ってでも、昼食時間はまとめてとってほしいね、なんて話していました。



いや、これだけの人々を国内外から招聘し、4日間衣食住を共にする、アテンドするというのは並大抵のことではありません。言うは易し、で、大変なのはとてもよく分かります。(だからこれを日本で!あなたが!と言われて、青ざめてしまったのですあせる




最後にようやく僑胞の部が始まりました。ヨンスンさんは美しく韓服で登場ラブ

発表内容は「おばあさんから聞いた故郷の話」。慶尚道出身のおばあさまから聞いた故郷に関する考え方の話を、ユーモアを交えて発表されました。

ほぼノーミス、明るく身振り手振り付けて話され、とても印象良い演説でしたクラッカー

僑胞の皆さんは他の国からの出場者の皆さんも、きちんと雄弁の先生につき、訓練されている印象を受けました。

僑胞の部で発表は終わりです。休憩のあと、大会講評、授与式と続きます。

講評は、私が出場したときと同じく、「小さい子供の発表が、明らかに大人が書いたような政治の話などというのは不自然ではないか」というもの、そして「もっと自然なスタイルで」と、激しい雄弁スタイルに疑問を投げかけるような評もあり、意外に思いました。

海外弁士、僑胞の講評をする先生は、一人ずつコメントしてくださいました。私のときもそうでした。

面白いな、と思ったのは服装や姿勢などへの言及が多かったこと。「人前で話す」ことに対する上でのマナーや責任のようなものを改めて考えさせられました。

一人ずつコメントされていたので時間が掛かり…すると、「時間がないですよ~」と会場から声が。あっ…大丈夫…?と思ったのも束の間、「기분이 나빠요(気分悪いですね)」と、途中で評を止められてしまいました。…何から何まで驚きです叫び


その後進行役の方が「審査が延びているから長めの講評をお願いしたんですよ」と上手に取り繕い、発表へ。

大統領賞が一位、国務総理賞が二位、その他長官賞がありますが、今回、全員にビックリマーク最優秀賞が授与されました。各地方の予選を勝ち抜いてきたから、という意味合いもあるのかもしれませんが、全員が一等賞、というのは、いちばんグッド!が大好きな韓国の国民性の表れかもしれません。




最後に出場者全員て記念撮影をしたのち、夕飯へ。



ヨンスンさん、一日中、韓服でお疲れ様でしたニコニコ発表、素晴らしかったです合格

真ん中2人は中国代表のお二人。今回、中国弁士とは中国語で話そうと思っていたのですが、彼女たちと韓国語を話していると、余りにも上手すぎて中国人と思えず、中国語モードに切り替えることができませんでしたびっくり(言い訳?)

一人は去年韓国に留学しており、一人は上海の大学で韓国語を専攻。先生は韓国人。

7年前の大会の中国弁士は韓国留学歴はなく、先生は北朝鮮の先生だそうで、強い中国語訛りがありました。改めて、この間の中韓の結びつきの深まりを実感しました。

ホテルに着き、この日の夜、ようやくヨンスンさんと外出走る人ホテルのサウナが工事中だったこともあり、近くのチムジルバン(低音サウナ温浴施設)へ音譜

大浴場やサウナ、水風呂でリフレッシュし、コンビニで小宴用のビールとおつまみを買ったとき、以前紹介した(こちら)済州島方言のエピソードがありましたウインク

お部屋でビールを飲みながら、この旅や大会のことなど、ヨンスンさんとたくさん語り合いました。語ったことなど、次回の総括編でお届けします照れ