黒潮ラインは果てしなく遠くまで続いているのです。
最終ランナーが歩いてきました。
「がんばれー」と手を振ると、笑顔を返してくれました
応援する人は、ほとんどいません。
冷たい風がピューピュー吹いています。
36km地点を通過
やっと戻ってきました
左折し、ゴールのある春野運動公園へ向かいます。
土佐湾に別れを告げ、北上します
9:00にスタートしたので、約4時間半、走り続けています
最後の関門です。
残り40分です。
ものすごく強い、冷たい風が吹いています
「ひゃーっ、寒いー」と小さく叫ぶと、
横を走っていたランナーがボクを見て言いました。
「完全アウェイって感じですね」
彼は笑顔で先を走って行きました。
37km地点を通過
どのくらい強い風かというと、
のぼりがこんなになっちゃうくらいです
あと5km
寒い中、応援ありがとうございます
左折します。
給水所です。
「もうゴールは見えてるよー」の声に、
「どこどこ」と訊いたら、指を指して教えてくれました。
遠くにゴールの春野陸上競技場が見えます
ゴールが見えると、元気が出ます
38km地点を通過
応援に手を振りながら通過します
確実にゴールに近付いています。
もうちょっと、もうちょっと。
春野陸上競技場がちょっと大きくなりました
ここで突然後方から話し掛けられました。
「競技場に入ってから、1kmくらいあるの」
「いや、まさかそんなにないでしょう」
「そんなにないのか・・・、初めてだから分からないんだよ」
(少し四国地方の訛りがあったはずですが、再現できません)
振り返ると、ボクよりかなり年上の男性が走っていました。
この男性は、還暦を迎え、何か始めようと思って走り始めたそうです。
「いまおいくつですか?」と訊くと、「60歳」と答えました。
つまり、走り始めてすぐに、フルマラソンに挑戦しているのです。
「完走できるかな」と不安げにしていたので、
「ここまで来たら、絶対に完走できますよ」と励ましました。
物事を始めるのに、遅すぎるということはありません。
ボクは40歳から走り始めました。
この男性に比べれば、20年も早く始めているのです。
ゴールはもうすぐです。
「ゆっくり行きます」と言うので、
「頑張って下さい」と手を振り、ボクは先に行きました。
右折します。
歩いているランナーが沢山います。
39km地点を通過
あと3km
小さい女の子を抱いたお母さんがいました。
「くまモンが来たよー」という声が聞こえたので、
ボクは女の子に駆け寄り、ハイタッチしました
左折します。
あれ
ゴールから遠ざかってる
「ウサギちゃん、がんばれー」と大きく手を振りました。
また折り返しのコースです
しかも上り坂です
「もうちょっとだから、がんばってー」と、
ボランティアの方々に励まされます。
ありがとうございます
40km地点を通過
最後の折り返しです
下り坂です
あと2km
カランコロン、カランコロン
小気味良い音色がボクの後方から近付いてきました。
振り返ると、下駄で走る坊ちゃん
真横に来たときに訊きました。
「それ、痛くないんですか」
「痛いですよ~」と、苦しそうな笑顔。
それでもすごい勢いでボクを追い抜いていきました
戻ってきました。
左折します。
距離調整の折り返しは、やっぱり辛いです
41km地点を通過
沿道から声が掛かります。
「熊本から来たの」
くまモンのキャップを被り、くまモンのTシャツを着ているので、
同じ質問を今日は何度もされました。
「いえ、今日は東京から来ました」
声の主である女性は、顔が一気に明るくなりました。
「えー私、こないだまで東京に住んでたの」と言いました。
「世田谷区に住んでて、日本橋三越で働いてたのー」
東京から来たというだけで、感激されてしましました。
「高知に来てくれてありがとう。また来年も絶対に来てねー」
ありがとうございます。
こんなに応援して貰って、ボクは大感激です。
ようやく春野陸上競技場に到着したようです。
あと1km
ラストスパート
そんなの無理
かなりの上り坂です。
ゆっくりゆっくり走ります
いや、もうゆっくりしか走れません
春野陸上競技場の入口で沢山の人が応援しています。
ありがとうございます
ボクは手を振りながら通過します
ああ、終わってしまうー
アヒルちゃん発見
アヒルちゃんの横には、先週熊本城マラソンを走ったという女性もいます。
ボクはアヒルちゃんに駆け寄り、手を差し出しました。
「ありがとうございました。お陰で楽しかったです」
お互いの健闘を讃え、握手しました。
ボクは、もう一人の女性とも握手しました。
一期一会。
手を振って、ボクは再び走り始めました。
トラックを一周すれば、ゴールです。
42km地点を通過
最後の直線は、全力少年
ラストスパート
そして、ゴール
暑くて、寒くて、大変だったけど、
フルマラソンはやっぱり楽しいです
ゆるキャラたちがお出迎え。
坂本龍馬、お龍さん、そして・・・だれ
沢山の方達のお陰でゴールできました。
ありがとうございました。
二週連続フルマラソンを無謀だという人は多いのです。
でも、楽しいからできちゃうのです。
東京マラソンが開催された日、
わざわざ高知で走りました
つづく