小学生の頃『大きくなったら何になりたい?』とよく聞かれた。
おそらく聞いて来た人が欲しかった答えは『狂言師』だったんだろう。
けどその頃の僕は『源義経』と答えていた。
真面目に成りたかった、、、
親父にも相談した、、、
『なんで狂言には義経は出てこないのか?』
と、、、
親父の答えは小学生の僕にとって素晴らしく現実的に
『能には出てくるから習いに行くか?子方なら義経になれるかもしれない』
それから義経になる為に必死で稽古に行き読めない謡本を読んだ。
そしてなれた!能の舞台の上で義経に!
楽しかったし誇らしかった。
しかしながら身体が大きくなってしまった事もあり子供が出来る義経を全て演じることは出来なかった、、、
そのせいか、能に対する憧れや義経に対する執着は強いままずっと過ごしてきた。
でも、先日夢の続きが始まった!
小学生になった長男を能の稽古に連れて行き始めて付けて頂いたのが『安宅』の『義経』!
稽古が始まってから色々話したりコミニュケーションを取るうちに倅も『義経』に興味を持ってくれるようになった。
しかし僕の小学生の頃とは明らかに温度差が、、、『やっぱり違うな、、、』と思いながら不安で迎えた当日、、、
なんとか無事にとりあえず終演を迎える事ができた。
倅の感想は『七歳には早いかな、九歳ぐらいが良いと思う』との事(笑)
確かにそうだ!と思いながら話をしていると色んな義経はしてみたいらしい。
安宅もリベンジしたいらしい。
ま、とりあえず『嫌いにならずに良かった』と思っていたら、、、、
『中鼓作りました!』と写真と共にメッセージが!

『????』
と、思って返信をすると
『小鼓と大鼓の両方の音が出ます!』
との事(笑)
アプローチは違う!
モチベーションも違う!
けど、まだ見させてくれそう!
親父が見てた夢の続きを、倅は倅なりに自分の楽しみを覚えながら、、、