「人と接するのが元々好きだったのですか?」
接客の話しをしていると、必ずといっていいほどそういう話しになります。
「人と接することが特別に好きだと思ったことはありません」
そう答えると、たいていの方は驚かれます。
そもそも私は「人と接するのが好き。接客や販売が好き」で仕事を選んでいません。
私の中で「雇用される」というのは「報酬をいただく」というイメージがあります。
お給料をいただくのですから、プロとしてその責任を充分に果たさないと、と思うのです。
正社員であれ、契約社員であれ、アルバイトであれ。
その会社からお給料をいただくのであれば、会社のためにできるだけの努力をしなければいけないと思っています。
そして、それが接客や販売であるのなら、お金を出して買ってくださるお客様に対して
そのサービスや商品を良い状態で提供しなければいけない。
ですから、「人と接するのが好きでこの仕事を」というより
「この考え方で長年続けてこれたから、向いているのかな?」という思いです。
友人たちは「それを自然にやっていること自体が向いている証拠だよ」と言ってくれますが。
自分の特性は、自分にとっては「当たり前」なので、気付きにくいのかもしれませんね。
仕事場には「人と接するのが好き♪」という方もいます。
「接客はあまり好きでないけど、商品が好き」という方も。
細かい裏方作業が得意な方もいます。
いろいろな価値観があり、それぞれの得意分野をフルに活用することで現場が回っています。
他の人の特性はよく見えるので、それを真似しようとして上手くいかないと落ち込む、
そんなこともありがちですが、
自分の得意分野に気付くことができれば自分に自信がつき、
他の人の特性を素直に受け止められる余裕が生まれる。
そして、その人たちの特性を伸ばすことができます。