ホーカー ハンター | ジェッターの航空記

ホーカー ハンター

連合国側世界初の実用ジェット戦闘機たるグロースターミーティアの後を受け、イギリス空軍の要となったホーカーシドレー ハンター。

基本設計は、先日ご紹介したホーカーシーホーク の主翼を直線翼から35度の後退角に変更したものです。


ジェッターの航空記-Hunter
主翼にドッグツースがついてますね。

この切り欠きは、部分的に乱流を発生させることで、さらに外側部分の気流を安定させ、失速やフラッターを起こす気流の剥離を防ぐことにあります。 F-4の主翼や、F-15の水平尾翼にも採用されています。


ジェッターの航空記-Hunter
エンジンは、Sea Hawkでは遠心コンプレッサーのロールスロイス NENE(ニーン)でしたが、Hunterに搭載されたAvon(エイヴォン)はドイツでは早くから採用されていた軸流式コンプレッサーを採用し、直径を小型化しながらニーンよりも高出力を実現しています。


遠心式圧縮機は、自動車用のターボチャージャーと全く同じ原理で、大きな風車で空気を内側から外に回転しておしやりながら圧縮するので遠心式といいますが、欠点としては直径が大きくなり、圧縮率はあまり上がりません。利点はビジネスジェット用など小型のジェットエンジンに向いてる全長の短さです。

軸流式は、何段も小型の羽根を角度を変えながら並べて、奥に向かって角度を急につけることで空気を圧縮していきます。(ステーターというケーシングについている回転しない羽根と、内側軸につけられたローターブレードが相互作用して空気を圧縮します) 利点は直径を抑えられるので空気抵抗を少なくできることと、多段式にすればするほど圧縮比が上がること。欠点は、全長がどうしても長くなるので、小型機には向かないことです。


Avonは傑作エンジンとして、Hunterの後継となった縦二段積みのEnglish Electric製 ライトニングや、爆撃機のキャンベラやヴァリアント、ライトニングや私の大好きなSea Vixenにも採用されました。


ジェッターの航空記-Hunter
この機体は、日本語版Wikipediaのハンターのページに掲載されてる写真と同じ機体のようですね。

私が2010年コッツオルズAirshowで撮影したこの機体は、並列複座のT7ですね。


ジェッターの航空記-Hunter
並列複座の為、頭がでっかいです。


ハンターは最高速は亜音速でしたが、オーソドックスなコンフィグからもたらされる扱いやすい特性と、兵器搭載量の多さから多くの国に戦闘機、練習機、爆撃機として採用されました。

スイス、シンガポールを初め、21カ国に輸出されました。



クリックお願いします! にほんブログ村 その他趣味ブログ 航空・飛行機へ
にほんブログ村