変態プロレストーク酒場ライブ配信~「玉袋筋太郎のプロレスラーと飲ろうぜ」おすすめポイント10コ~ | ジャスト日本のプロレス考察日誌

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恒例企画「プロレス本を読んで感じたおすすめポイント10コ」シリーズ34回目です。このシリーズはライターの池田園子さんが以前、「旅とプロレス 小倉でしてきた活動10コ」という記事を書かれていまして、池田さんがこの記事の書き方の参考にしたのがはあちゅうさんの「旅で私がした10のことシリーズ」という記事。つまり、このシリーズはサンプリングのサンプリング。私がおすすめプロレス本を読んで感じたおすすめポイント10コをご紹介したいと思います。

この企画は単行本「インディペンデント・ブルース」発売以降、色々と試行錯誤してましてブログ運営における新しい基軸となったと思っています。今後もさまざまなプロレス本を読んで知識をインプットしてから、プレゼンという形でアウトプットしていきます。よろしくお願いします!


さて今回、皆さんにご紹介するプロレス本はこちらです。

説明

玉袋筋太郎と迫る「平成プロレス・オールスター編」

「KAMINOGE」(玄文社)の人気連載「変態座談会」が単行本化!
2020年1月の「WRESTLE KINGDOM14」にて現役を引退した獣神サンダー・ライガーから、皇帝戦士・ビッグバンベイダーまで、平成を熱狂の渦に包んだ総勢10人のレジェンドレスラーが集結。
芸能界きってのプロレスマニア・玉袋筋太郎(浅草キッド)らとともに、時には酒を酌みながら、伝説の舞台裏からレスラー人生まで、その“生きざま”を洗いざらい語り尽くします!
飲めば飲むほど、読めば読むほどにコク深い、プロレスラーたちの赤裸々トークは必見!!

【出演レスラー】
・怒りの獣神/獣神サンダー・ライガー
・東北の英雄/ザ・グレート・サスケ
・異能の戦士/保永昇男
・ミスター・セントーン/ヒロ齋藤
・デンジャラスK/川田利明
・鉄人/小橋建太
・炎の戦士/大谷晋二郎
・平成の牛若丸/維新力
・天才レスラー/井上京子
・皇帝戦士/ビッグバン・ベイダー
(※掲載順)


2020年に白夜書房さんから発売された玉袋筋太郎さん、堀江ガンツさん、椎名基樹さんの「玉袋筋太郎のプロレスラーと飲ろうぜ」を紹介します!ちなみに「飲ろうぜ」と書いて「やろうぜ」と読みます(笑)

この本は人気雑誌「KAMINOGE」の名物コーナーであるプロレス変態座談会を書籍化したものです。お笑い芸人の玉袋筋太郎さん、フリーライターの堀江ガンツさん、放送作家・椎名基樹さんの三人による「もうひとつの三者三様」!この変態座談会はKAMINOGEの前身であるkamipro時代から続く連載です。

さて、この本は「変態座談会の三人とゲストのプロレスラーと一緒に酒を飲んでコクのあるレスラー人生をじっくり聞かせてもらうこと」をコンセプトにしています。玉袋さんが「酒場のVR体験」と称しているように、その現場の臨場感が伝わる一冊となっております。

今回はこの本について各章を順を追いながら、ネタバレ少なめにプレゼンしていきます。よろしくお願いいたします!

★1.怒りの獣神 獣神サンダー・ライガー

まず登場するのは世界のレジェンドであるライガーさん。いきなり面白いんです。
これまで出てきているエピソードもありますが、まだ知られていないエピソードも織り混ぜてきているのはさすがです!ライガーさんはトークは抜群にうまいし、インタビューや取材もお手のものですよね。そりゃあ、ご自身のYouTubeのチャンネル登録数10万人を越えますよ!テーマに合わせたトークのチョイスができるんですよね、ライガーさんは。だから変態座談会が食い付きそうな話をライガーさんは色々展開されていたと思います。ちなみにライガーは元々船木誠勝選手にさせる予定だったという衝撃的な発言も飛び出しましたよ!


★2.東北の英雄 ザ・グレート・サスケ

ライガーさんの次に登場するのはみちのくプロレスのザ・グレート・サスケ選手。自称プロレス界の変態と語る我らがサスケ会長なのですが、その変態ぶり、変人ぶりを遺憾なく発揮していますね(笑)

そして玉袋さんが「サスケさんは世間とプロレスをするっていうことをずっとやり続けた体現者」という表現は素晴らしいと思います。本当にこのサスケ会長はね、人生プロレスですよね!人生そのものがプロレスなんですね。

★3.異能の戦士 保永昇男

そしてこの本のラインナップで嬉しくなったのは、いぶし銀・保永さんが登場しているということ。これだけで個人的には購読意欲が湧きます!あまり自分語りをしない保永さんがこの変態座談会でどう語ったのか。

元々ボクサーになりたかったという話から始まる保永さんのレスラー人生語りですが、なかなか味わい深いです。これは是非読んで確認していただきたいと思います。かなり率直に色々と語ってくださっていますよ。


★4.ミスター・セントーン ヒロ斎藤

保永さんの次に登場するのはブロンドアウトローズ時代の盟友・ヒロ斎藤選手。職人レスラーから職人レスラーへのバトンタッチです。ちなみにヒロさんは保永さんよりさらに口下手なんですよね。どうなるのか、気になりながら読みましたが、さすが変態座談会のメンバーです。あの手この手でヒロ選手を引き出していきます。

ヒロ選手の回を読むと、変態座談会ってすごいバランスをとれているんだなと感じました。玉袋さんがお笑い芸人としてのトーク力とプロレス愛、ガンツさんがプロレスや格闘技の現場で生きるライターさんならではの情報、椎名さんがプロレスファンという。バレーボールを見ているようでね。椎名さんがボールを拾って、ガンツさんがトスをあげて、玉袋さんがスパイクを打つみたいな。そこの連携は長年培ったものでしょうね。

ヒロ選手の回も面白かった!特に蝶野正洋さんとの関係性は面白いですね。狼群団!

★5.デンジャラスK 川田利明

さて、ヒロ選手の次に出てくるのが、デンジャラスK、現在は飲食店「麺ジャラスK」店主の川田さん。ヒロ選手とは真逆のよく喋る方が出てきました。太田プロにも所属しているタレントさんでもあります。

これは川田劇場ですね!面白い!中学二年の時に川田さんは新日本の道場にいっているんですよね。入団したいから。そこでスパーリングをして、新日本の若手を逆に絞めあげたという話は強烈でしたね。ちなみに「川田は全日本に借金があるからノアに行けなかった」という噂がネットであるのだが、これについてはきっぱり否定されていました。

そして三沢光晴さんとのエピソードも出てきます。何しろ三沢さんと川田さんは腐れ縁ですよね。


★6.鉄人 小橋建太

川田さんの次に登場するのは小橋さん。超世代軍によるリレー。プロレスファンにはたまりません!

小橋さんに関しては既存の話が多い印象を受けました。ただ変態座談会のメンバーは、小橋さんの前に川田さんとやっているので、川田さんからの情報もぶっ混んで小橋さんに質問しています。さすがです(笑)。そこで小橋さんが否定するという一幕も(笑)

ちなみに玉袋さんが「道徳の教科書に採用決定ですよぉ!」とおっしゃっていたので、何かとためになる話の連続でしたね。


★7.炎の戦士 大谷晋二郎

小橋さんの次に登場するのがゼロワンの大谷選手。熱い男から熱い男へのリレー。編集や構成をされている方の組み方のセンスが素晴らしいんですよね。本当にプロレス好きなんだって。

これは面白い!新日本時代、ゼロワン時代とありとあらゆるエピソードが出てきますよ!また大谷選手の飲みっぷりが豪快!それが文面で伝わってくるんですよね。酒場のVR体験がめちゃくちゃできるんですよ、大谷選手の回は!

あと橋本真也さんのエピソードはいいですね。泣けますね。

★8.平成の牛若丸 維新力

さて大谷選手の後に登場するのが、なんと角界出身の維新力さん!!これは気になりました。個人的に維新力さんのプロレスはみたことはありますが、どんな半生を送ったのかというのはあまり深くは知らないんですよね。角界時代、プロレスに入る経緯とかは。だから維新力さんはね、読みたくなりましたね。

ちなみにテレビ業界では「角界が乱れたときは維新力さんの出番」ということが囁かれているそうで(笑)確かになぜかワイドショーでよく出ていましたね。

維新力さんになるとプロレスだけではなく角界のエピソードも飛び出します!ちなみに角界時代の北尾光司伝説として「若い衆を壁際に並べてサバイバル内服薬を投げつけたりして、若い衆7人が巡業中に脱走した」という爆弾が投下されていました。

個人的にはこの変態座談会(この本において)に一番マッチしていたように思えました。

★9.天才レスラー 井上京子

さて維新力さんの次に登場するのが、井上京子選手。元女子プロレスラーを妻に持つ維新力さんから男子プロレスラー顔負けの実力を持つ京子選手。ちなみに維新力さんと京子選手も飲食店を経営しているので、飲食店リレーかもしれません。

これが完全に酒場ノリになっていますね。酒場というより、スナックかキャバクラなのでしょうか。

そして京子選手の「世界一強い女になるためにプロレスラーになった」という発言は痺れましたね。

ちなみに京子選手はスーパータイガージムや学生プロレスに内緒で練習にいっていたそうですよ!!

彼女は全日本女子プロレスの異端児ですね。女子プロレスより男子プロレスを見てきたからこそ、あの京子選手のプロレスになったのでしょうね。


★10.皇帝戦士 ビッグバン・ベイダー

そしてこの本の最後、メインイベンターとなるのがなんと外国人レスラー。2018年に逝去されたベイダーさん。まぁ、ベイダーさんといえば、TPG(たけしプロレス軍団)の刺客として初来日を果たした怪物。そして玉袋さんといえば、たけし軍団。ということでビートたけしさんとプロレスの縁で繋がっているわけですね…と言いたいのですが…。

なんとベイダーさん、TPGの刺客という話も、ビートたけしさんも知らなかったという衝撃の事実が判明しました(笑)新日本、そこはちゃんと言っておいてくれよ!!!

とにかく結構ここだけの話も多いので読みごたえありますよ!

さして終盤なのですがベイダーさんはまるで自分の行く末を暗示しているかのようなコメントを残しているんです。

「私はもう何年生きられるかわからないし、そうしたらもうこういう話を残すこともできない。だから今日はいい機会だったと思うよ」

楽しくワイワイ盛り上がっていたこの本のクライマックスはどこか切なく寂しく終わっていったのが、まるで玉袋さんの師匠であるたけしの映画みたいで、ドラマチックだったように思います。




この本を読み終えると、このメンバーで二次会にいきたくなるような臨場感があって、楽しい気持ちになりました。

今はコロナ渦もあって、自粛ムードですよね。ライブとかも無観客や入場制限したり、ライブ配信とか増えましたよね。

そんな時代だからこそ、私はこの本を読んでほしいなと思います。なぜか元気になる。明日に向かって歩きたくなる。嫌なことを忘れて、プロレス話に盛り上がりたくなる。


まるで変態座談会のメンバーによるプロレス話酒場のライブ配信を文字起こししているかのようなこの本はまた既存のプロレス本は違う道を歩んでいるかもしれませんが、これもプロレスを伝えていくという手段としては大有りやと思います。


「プロレスラーを飲ろうぜ」と書いて「プロレスラーとやろうぜ」と読むこの本、皆さんチェックのほどよろしくお願いいたします!