ロンドンに戻ってきた。
3泊4日×3回の治験も終わり、残す所は事後検診のみ。
イギリスから出れる日は近い。
そろそろお金の調整をしようと思い、貴重品袋にしまっておいた残りのポンドを数えてみる。
なんで?
カジノで余分に引き出してしまった為か?
50ポンド(約9,100円)紙幣が6枚もあった。
でも、ポンドは中々強い通貨だと思うので、これから行く国々でエクスチェンジしても良いのですが、少しは自分の為に使おうと思った。
7ヶ月以上も切っていない髪の毛を切るか?
クロックスを新しく買い換えるか?
それとも服を買うか?
美味しいご飯を食べようか?
ロンドンアイに乗ろうと思った。
観覧車。
普通ならば、2人一組。
その為、僕の右隣か左隣にフローラル系の香りを漂わせている様な女性の方がいてもおかしくない状況なのですが、普通ではない僕はもちろん1人です。
チケットカウンターに行き「ロンドンアイのチケット、1人!」と言いチケットを購入。
23ポンド(約4,200円)
ついでに、チケットカウンターの近くにあったお土産屋で、熊のぬいぐるみも購入。
10ポンド(約1,800円)
カメラをバッグから取り出すと同時に、熊を無理やりバッグに詰め込んだ。
ネット情報によると、ロンドンアイは1時間~2時間近くは並ぶと聞いていたのですが、平日だった為か、この日は5分位で行けました。
小雨がチラチラ降る中、入り口の警備員にロンドンアイのチケットを見せ、周りの流れに従い進んで行く。
当たり前ですが、僕の前後はカップルらしき人達。
…2人、2人、僕、2人、2人、2人、2人…
と言った感じだ。
途中、荷物検査をしていた。
「ちょっと待って!そんなの予想外なんだけど!」
と、ここに来てビックリ!
首からカメラをぶら下げ、肩掛けバッグを背負っている僕。
もちろん、その肩掛けバッグの中には、先程購入した熊のぬいぐるみが詰め込まれている。
「ナイフは持ってないか?」
と聞いてきた荷物検査員は、僕のバッグを開けた。
しかし、僕のバッグから出てきたのはナイフなどの凶器ではなく、LONDONと刺繍の施されている熊のぬいぐるみ。
検査員も予想外の僕の荷物に、ビックリしていたと言ってもいい。
荷物検査も無事に終わり、係員に誘導され、ようやく乗車。
普通の観覧車とは違って、数人が一緒に乗るタイプの観覧車。
観覧車なんて、9年振りだろうか…
確か最後に乗ったのは、お台場のパレットタウンだった。
と、懐かしくも淡い青春時代を思い出しつつ、僕は右足からゆっくりと乗車していった。
見事に10人だった!
2人×5組で10人だった!
僕をいれたら11人!
ここまで絵に描いたようなKYは、人生で初めての経験。
上の写真に1つだけタイトルを付けるとしたら
【空気読めない。】
もし油性マジックとか持っていたら、自分で自分の顔に【KY】って書く所だった。
危ない。危ない。
でもまあ、どうせ1時間後には僕の顔すら忘れてるだろうから、僕は関係ねぇなと思いカメラを夜景モードに切り替えた。
そして、僅か30分の夜景鑑賞は終わった。
結局、誰1人として僕の事なんか見てやいない。
みんなキスに夢中だ。
ロンドンの夜景、そっちのけでキス!
相手の唇以外、眼中に無い!
特に人目などは気にならなかったのですが、最初の荷物検査の時だけはキツかった。
原因は熊のぬいぐるみ。
そう思いながら、僕は乗った時と同じ様に右足からゆっくりと観覧車を降りた。
外の天気は、小雨から曇へと変わっていた。
熊を無理やり半分のサイズに折りたたみ、カメラをバッグに押し込む。
その後、僕は何食わぬ顔をしてホステルへと帰った。
熊を買ったは良いもの、普通にこのサイズは邪魔。
1ヶ国目のタイから1個ずつ、携帯ストラップやキーホルダーなど、少し小さめのお土産を買っていたとしても、ここまでの大きさにはならない。
「やべー!忘れちゃった!」
と言って、ドミの枕元にそっと置いてきても良いのですが、それはさすがに可哀想すぎる。
熊を買った後悔をしつつ、僕はバックパックを閉じた。
日本に帰ったら、3才になる友達の娘にでもあげよう。
「プレゼントだよ。」とか言って。
「おじちゃん、コレなにー?」
「英国の熊。」
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