元祖モンスター映画。監督はメリアン・C・クーパー、アーネスト・B・シェードザック、出演はフェイ・レイ、ロバート・アームストロング、ブルース・キャボット他です。
（1933年度：アメリカ）
人形を少しずつ動かして撮影したストップモーション・アニメによるコングの動きには、現代の発達したCG技術とは違った独特の味があります。恐竜も数体登場し、特にT・レックス？との死闘は見応え十分。エポック・メイキングな名作と言えるでしょう。面白いことは面白いです。しかしながら『ゴジラ』の一作目と比較すると、底の浅さは否めません。『ゴジラ』の結末は、芹沢博士が「オキシジェンデストロイヤー」という超兵器を駆使して自分の命を犠牲にしてゴジラを葬り去り、何とも言えない哀愁に満ちた余韻が残りました。一方、本作はというと、エンパイアー・ステートビルに登ったコングに米軍機が襲い掛かり、あっさりと撃退。後年ゴマンと製作される「アメリカ万歳映画」の片鱗を見た気がします。国民性の違いと言ってしまえば、それまでですが…。
（IMAGICA BSで再鑑賞）