【あらすじ】
三崎中陸上部に所属する圭祐は、駅伝の全国大会出場をあと一歩のところで逃してしまう。
メンバーたちはベストに近い走りを見せたが、エースの山岸良太を欠いていたことが大きく響いたのは間違いない。
怪我明けだということもあったが、それでも部員の中で一番速い良太をメンバーから外した顧問の決断に、全員が疑問を抱いていた。
圭祐は中学で叶わなかった全国大会出場を果たす為、良太の推薦入学が決まっていた青梅学院高校に進学する。
しかしその合格発表の日に事故に遭い、脚にボルトを入れなければならない程の大怪我を負ってしまう。
走れなくなってしまった圭祐は目標を失い、途方に暮れるが、同じ三崎中学出身の宮本正也に放送部に誘われる。
【感想】
どこの学校でも大抵は日陰的な扱いを受ける文化部。
かくいう僕も文化部がどんな活動をしていたのか、そもそもどんな文化部があったのかすら把握していません。
こんなにも文化部っぽい見た目をしているのに。
結局大人になって芸人になっているわけですから、サッカー部なんかより放送部に入っていた方が役立つことは多かったはず。
やはり中学や高校の多感な時期は、運動部がかっこいいみたいな風潮があるんですかね。
この作品を通じて、文化部の魅力を知ることができて良かったと思います。
作者はイヤミスの女王と呼ばれる湊かなえさんなので、最後にどんなイヤミスが待ち受けているのかと思いながら読み進めましたが、最後の最後まで青春ど真ん中の熱いストーリーでした。
途中からは湊かなえさんの作品であることすら忘れてしまうぐらい没入してしまいました。
文化部の位置向上に大きく貢献する作品なのではないでしょうか。