守谷市教委 放射線対策に独自指針 読売新聞
守谷市教委 放射線対策に独自指針
福島第一原発事故による放射線の不安の声を受け、守谷市教育委員会が、給食、水泳授業、屋外活動など学校生活の行動指針を作成した。校庭の放射線量が一定値を超えた場合、表土除去などの対策を市独自に講じることも盛り込んだ。市町村教委が放射線量に関し、学校現場に統一した指針を示すのは県内で初めて。
行動指針は文部科学省が福島県内の学校に示した方針に基づき、「学校生活上の留意事項」としてまとめた。市内の小中学校、幼稚園などを通し、9日付で保護者に配布した。それによると、〈1〉プール水の放射線検査〈2〉外靴に付いた泥の除去指導〈3〉校庭の掃き掃除でのマスク着用の励行〈4〉給食食材の産地公表――などのほか、屋外活動について土ぼこりが多い場合、「活動を見合わせる」としている。
給食や水泳授業については、水道水や食材の安全性を強調したうえで、水泳授業を見学する「プール辞退希望者」や給食を辞退する「弁当・水筒の持参希望者」に柔軟に対応するとし、児童生徒の選択を認めた。
また、市が調査している校庭の放射線量が毎時1マイクロ・シーベルトを超えた場合、表土除去などを実施する方針を打ち出した。市は5月24日から毎週1回、小中学校、幼稚園、市役所など市内39か所で放射線量を調査しており、今月8日の測定結果で最も高かった値は、毎時0・628マイクロ・シーベルトだった。
市教委は「各校で個別に保護者の要望に耳を傾けてきたが、市教委として統一指針を示すことで安心してもらえるようにした。校庭の土壌対策は、必要があると判断すればやらざるを得ない」としている。
市教委の指針について、小学2年の男児を持つ市内の主婦(40)は「放射能への不安は保護者によっても異なり、学校への要望が食い違うこともある。統一した見解が示されたのはうれしいが、この指針通りやっているから大丈夫だという理由にしてほしくない」と指摘している。