三角絞めでつかまえて2 -792ページ目

やっと落ち着いてきました。

11月半ばから始めたこのブログ。1日1回の更新だと感想文を消化しきれなかったので、2回更新してきましたが、やっと落ち着いてきたので、明日から1日1回の更新にしようと思います。

「いや、別にそんなことわざわざ書かないでいいよ」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、一応、お伝えしておかないと悪い気がしまして。そんなワケで、今後ともよろしくお願いいたします。

スペル(ネタバレ)

スペル※映画の説明などを追記しました(12/15)

スペル

原題:DRAG ME TO HELL
2009/アメリカ 上映時間99分
監督・脚本:サム・ライミ
製作総指揮:ジョー・ドレイク、ネイサン・カヘイン
脚本:アイヴァン・ライミ
視覚効果:ブルース・ジョーンズ
特殊メーク:グレゴリー・ニコテロ、ハワード・バーガー
衣装デザイン:アイシス・マッセンデン
音楽:クリストファー・ヤング
出演:アリソン・ローマン、ジャスティン・ロング、ローナ・レイバー、ディリープ・ラオ、デビッド・ペイマー、アドリアナ・バラッザ、チェルシー・ロス、レジー・リー、モリー・チーク、ボヤナ・ノバコビッチ、ケビン・フォスター
(あらすじ)
ライバルに勝ち、銀行で昇進したいクリスティン・ブラウン(アリソン・ローマン)は、上司に仕事ができることをアピールする必要に迫られていた。そこへ、ジプシー風の老人(ローナ・レイヴァー)が不動産ローンの延長願いを申し出る。クリスティンが拒否すると、老人は態度を豹変。敵意をあらわにし、クリスティンに飛びかかる。(以上、シネマトゥデイより)

予告はこんな感じ↓




70点


サム・ライミ監督の最新作「スペル」は11月6日に観たんですが、結構好評な様子なので、ずっと後回しにしてたんですよ。ただ、11月30日で公開が終わるようなので、適当な感想を残しておきたいと思います。

この映画、一応、カテゴリはホラーなんでしょうけど、観た人ならほとんどの人がホラー・コメディだと思ったのではないでしょうか(ホラー耐性のない人除く)。主人公は支払いの延長を断ったババアに呪いをかけられたことで、かなり怖い目や酷い目に遭いまくるんですけど、なぜかそれが笑えてしまうという。呪いをかけた老婆も怖いし気持ち悪いんだけど、やっぱり笑えてしまうという。この作風は「死霊のはらわた」のサム・ライミ感がして、ちょっとうれしかったです。

主人公のアリソン・ローマンとその恋人のジャスティン・ロング、そしてババア役のローナ・レイヴァーたちも好演していましたね。呪いを解くために奮闘したものの、結局、呪いがかかったボタンを老婆に返せず、ヒロインが地獄に引きずり込まれるラストも大好きです(ほとんどの人がコインと間違えていることに気付いていたと思いますが、それはそれで良し!)。特にジャスティン・ロングの驚きつつも悲しげな表情に余韻があって、なんか後を引きましたよ。「ババアもあれだけお金持ってそうな親族がいるなら、そいつらに金を借りて銀行に返せばいいのに」とか「あの程度のことで地獄に落とされてもなぁ」とか思うところもありましたが、これからは困った人に会ったらなるべく良心的に対応しようと思ったり。

そんなワケで、しっかり作られた良質のホラーコメディだと思います。サム・ライミ監督が好きな人はとりあえず観ておいた方が良いですよ。内容は全然違うけど、先月上映されていた「エスター」的な良作感がありました。不満を挙げるとすると、邦題ですかね。原題「DRAG ME TO HELL」=「私を地獄にひきずって」の方が良いと思うんですけど、どうでしょうか? そもそも「スペル」というよりは「カース」だと思うし…。まぁ、どうでもいいか。

12/5のウィークエンド・シャッフルで宇多丸師匠が批評をしました。非常に面白いので、聴いてみてください。




サントラを貼っておきますね。



サム・ライミ監督の処女作。一番好きな作品です。ブルース・キャンベルが若い!



サム・ライミ監督といえば「スパイダーマン」ですが、この作品の方が好きです。







ドキュメンタリー頭脳警察 第2部(ネタバレ)

ドキュメンタリー頭脳警察 第2部※映画の説明などを追記しました(12/15)

三角絞めでつかまえて-頭脳警察2

2009/日本 上映時間103分
監督:瀬々敬久
出演:PANTA、TOSHI、重信メイ、三上寛、浦邊雅祥
(あらすじ)
太平洋戦争のさなか、従軍看護婦として働き、病院船・氷川丸で帰国したPANTAの母。その死をきっかけに、当時の氷川丸関係者を訪ね歩くPANTA。彼は重信房子の詩に曲をつけ、アルバムを制作。重信の娘メイを迎えてレコーディングを開始する。さらに、フセインの孫にあたる14歳の少年が、ひとりで200人の米兵と戦った実話を基に生まれた「七月のムスターファ」。その曲が披露されたライヴで、カメラは凍りつくかのような殺気を記録していた…。(以上、公式サイトより)

予告編はこんな感じ↓




60点


誰から支持されているワケでもない音楽映画強化月間もいよいよ大詰めということで、「ドキュメンタリー頭脳警察 第2部」を観てきましたよ。

第1部で結構グッときた僕的に第2部はかなり期待していたんですが…。正直、第1部ほどは感動しませんでした。氷川丸のくだりとか、興味がなくはないですけど、かなり冗長に感じました。重信メイさんとの共同作業シーンもちょっと…(重信房子さん絡みはもっと濃い話が見たかったです。メイさんが可愛いのは良し)。いや、これは第1部が終わったあとに流れた第2部の予告を観て、期待し過ぎたところもあるとは思いますが…。第1部より時間が経つのが遅かったです。

ただ、「響」や「陽炎」のライブシーンは素晴らしかったです。で、「陽炎」のメンバーたちの独白もかなり面白かったり(キーボードの中山努さんが語った、ライブツアー中に松山で「頭脳警察」の名前を使って宣伝されていたのを見て燃えた話とか最高!)。あと、TOSHIさんと三上寛さんと浦邊雅祥さんのステージの凄さ! 「この人たちは何をやってるの?」と混乱しました(良い意味で)。アレは本当にヤバかったですよ。「氷川丸」「7月のムスターファ」とか、好きになった歌も結構あり、まぁ、最終的には満足しました(でも骨折して座ったままのライブで映画が終わったのは、仕方ないことですが残念)。

第2部を見て、「3部作じゃなくて前後編でも良かったのでは」とも思ったりはしましたが、最後に流れた第3部の予告を見たら、ググッとテンションが上がりました。「陽炎」メンバーとの仲はどうなるのか? 第3部、かなり期待してますよ!





「ライラのバラード」とか名曲だらけですよ!
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彼女が嫌いな人でも、読んだらきっとタメになると思うんですよ。
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実験室KR-13(ネタバレ)

実験室KR-13※映画の説明などを追記しました(12/17)

実験室KR-13

原題:The Killing Room
2009/アメリカ 上映時間99分
監督:ジョナサン・リーベスマン
出演:クロエ・セビニー、ティモシー・ハットン、ピーター・ストーメア、ニック・キャノン、クレア・デュバル、シェー・ウィガム
(あらすじ)
ある心理実験に協力するため4人の男女が実験室に集められるが、突然、被験者の1人が博士(ピーター・ストーメア)に銃で撃ち殺される。部屋のドアはロックされ、繰り出される問題に正解しないと容赦なく殺されるという。やがて、限界を超えた恐怖に彼らが理性を失っていく様子が、背後のモニタールームですべて記録されていた……。(以上、シネマ・トゥデイより)

予告はこんな感じ↓




15点


実験映画強化デーというワケではないんですが、「ウェイブ」に引き続き、「実験室KR-13」の感想も書いてみますね。まぁ、この公式サイトに書いてあるストーリーを読んでみてくださいよ。アメリカ政府がおこなったことで有名な洗脳プロジェクト・MKウルトラ計画こちらのサイトがオススメ。ちなみに映画評論家の町山智浩さん曰く、スティーヴン・キングの「ファイアスターター」の元ネタなんだとか)をベースにしていて、なかなか面白そうじゃないですか? でも、予想外にイマイチでした…。

治験だと騙されて3人の男性と1人の女性が一室に集められるんですが、突然、女性が射殺されちゃうんですね。で、ドラマが進むにつれて裏切りやら何やらがあり、さらに人が死んでいくんですが、一番気になるのは「どういうオチになるのか?」ってことじゃないですか。実験をおこなう側の視点で始まるので、「実は全員死んでいなくて新米女科学者を試すためのテストなのでは?」とか、「被験者のうち1人は向こうとグルなのでは?」とか、「残り2人になった段階で何とか脱出できて、後半はアクションになったりするのでは?」「実は今までのはすべて回想で…」などといろいろ妄想したんですが、結局、「この実験はアメリカがテロリストに向いている人材を選抜するためにやっていた」ってオチだったというね(今までのはすべて「選抜」段階で、次の実験に進むところで映画は終わる)。

正直、見終わって思ったのは、「もっと効率の良い選抜方法があるんじゃね?」ってことでしたよ。いくら“アルカイダに負けないくらい命を惜しまない愛国的なテロリスト”を作るんだとしても、とりあえず“4人中3人を殺すという非人道的すぎる手段”以外の方法がいくらでもあるような気がするのは僕だけじゃないと思います。実験の内容自体、テロリスト選抜に向いているようにも見えないし…。被験者たちに同情的だった新米女科学者が最後冷酷になるというくだりも、もうどうでも良かったなぁ。つーか、今さらですが、そもそも「本当の事件」みたいな宣伝文句はどうなのか? アンタたちが勝手に想像した話なのに、“本当にあったこと”にするなというか。

映画の雰囲気とか役者さんたちの演技は悪くはなかったんですが…。こういう映画って本当にオチが大事ですよね。もちろんこの映画が合う人もいるとは思いますが、僕はちょっとキツかったです。




ジョナサン・リーベスマン監督作。未見ですが、評判は良いんですかね? ちょっと面白そうと思ったり。



観たときは気付かなかったけど、MKウルトラ絡みの作品だったんですね。あまり面白くはなかった気が…。







THE WAVE ウェイヴ(ネタバレ)

THE WAVE ウェイヴ※映画の説明などを追記しました(12/17)

三角絞めでつかまえて-ウェイヴ

原題:THE WAVE (独:Die Welle)
2008/ドイツ 上映時間108分
監督・脚本:デニス・ガンゼル
出演:ユルゲン・フォーゲル、フレデリック・ラウ、マックス・リーメルト、ジェニファー・ウルリッヒ、ヤーコプ・マチェンツ
(あらすじ)
高校教師のベンガー(ユルゲン・フォーゲル)は特別授業週間で独裁制について学ぶクラスを受け持つことに。若くて生徒からの人気もあるベンガーは授業の一環として、生徒に独裁制を体験させようとある提案をした。それは授業中に自分を指導者とした独裁制を行うというもの。最初は嫌悪感を示す生徒たちだったが、やがてこれまでに味わったことのない一体感に興奮していく。そして生徒たちは自らを「ウェイヴ」と名乗って異物の排除を行うようになり…。(以上、goo 映画より)

予告はこんな感じ↓




45点


「es[エス]」の実験より数年前ー
恐るべき心理実験が、無防備な高校生たちに行われていた。
たった数日の間で彼らを集団狂気に走らせた、その戦慄の内容とはー?


どうです、実に興味を惹く宣伝文句じゃないですか? ドイツで公開されて大ロングランヒットとなり、2008年の興行収入ナンバー1を記録したドイツ映画「ウェイヴ」を観たのは先週なんですが、残念なことにもう公開が終わりそうな勢いなので、とりあえず感想を書いておきますね。

ストーリーは、生徒に人気がある高校教師が「独裁はなぜ起こるのか?」をテーマで授業を始めたら生徒がエスカレートして大変なことになっちゃいましたって感じ。1976年に実際にアメリカであった事件を元にした小説を元にした映画(ややこしい)ってことで、要は宣伝文句で引き合いに出されていた「es[エス]」と似たような作品なんですな。

で、感想も「es[エス]」を観た時と同じというか、ごめんなさい、「こんなこと起きないだろ」って思っちゃいました。その理由を僕なりに拙く考えますと、これまた「es[エス]」と一緒なんですが、題材が昔の話ということです。70年代は今より素朴な人が多かったワケで、今、同じ実験をしても、5日間という短い期間でそんなにエスカレートするかなぁと。授業内で「WAVE」という組織を作り、教師が指導者役になるんですが、とにかく登場人物たちがこの組織にのめり込むのがかなり早くて、現代ならよっぽど従順な人を集めないと無理な気がします。

僕が学生時代に「クラスで一丸となって何かを成し遂げる」という体験をまったくしなかったためかもしれませんが、「そもそも日本の教育ってこんな感じじゃね?」とも思うし。ホームページ開設したりとか、ロゴを作ったりはまだ良いとしても、ステッカーを作るのはさすがに早すぎるし、みんなで一丸となって街中にそれをベタベタ貼ったり、ロゴをスプレーしまくったりはちょっと…。あと、野球拳の前振りを思わせるダサイ敬礼は絶対やらないと思います。


野球拳の動画を貼っておきますね↓




まぁ、講堂で生徒を煽るだけ煽ってから「これが独裁だ!」と教師がハシゴを外すオチ自体は予想できたけど結構好きです。「今まで自分の居場所がなかった少年が暴走した挙げ句、絶望して自殺する」っていう悲劇も、ベタな感じですが嫌いじゃないです。ただ、教師とガールフレンドの仲が険悪になる辺りは心理描写が足りないと思ったり、「WAVE」に対抗する女生徒がコイツはコイツで問題に思えたりとか(観客に「WAVE」側に対して思い入れを持たせるためだとは思うけど)、やっぱりイマイチな点が多いですかね。

ただ、これも「es[エス]」を観た時に感じたんですが、僕は、“この映画の状況ではあり得ない”けど、当然ながら“こういうことは起こり得る”と思っています。だから、この手の映画が作られること自体は非常に良いことじゃないですかね。しかも、それがドイツで大ヒットというんだから、「二度とあの過ちは犯したくない」とどれだけ多くのドイツ人が思っているかが分かって、これまた良かった気がします。グダグダと書きましたが、「es[エス]」が好きな人は合うかもしれませんな。




スタンフォード監獄実験を元に作られた映画。アブグレイブ刑務所での捕虜虐待事件が引き合いに出たりしますが、それとはまたちょっと違うのでは。
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読みました。ラノベ風イラストと文字の大きさに少しガッカリ。
ザ・ウェーブ/モートン ルー