僕はよく『変わってるよね』なーんて言われたりするんだけど、僕の友人も中々に変わってる子ばかりだと思うんだ。
今日はその中でも変わり者の話をしようか。
彼ーああ、その子は男なんだーは、発言がちょっとアレだから、顔を覆いたくなるかもしれない。
そんな時は無理に聞かないで、アニマルビデオか何かでも見ていてよ。
どうせこれは、僕の独り言なんだから。
最初見た時は普通の男の子。
割とイケメンな、一般男子Bって感じの。
そんな彼は、所謂、理数系男子って奴で、特に理科が得意だった。
…いや、得意なんて言葉だけじゃ言い表せないな。
何というか…最早、恋人かそこらと接しているかのようなんだよね、本当に。
あんなんだから、顔は良いのに彼女とか出来ないんじゃないだろうか。
きっと、そうだ。
彼の異常性は、実験をする際に顕著になる。
例えばこう。
「あーもう、またこんな奥に一杯溜めて。そんなじゃ気持ち悪いでしょ。早く中のモノ出しちゃったら?…え、一人じゃ出来ないって?仕方ないなぁ。君の中は狭くて大変だけど、俺の指で一滴残らず掻き出してあげる。」
今、何を想像したのかは問わないでおいてあげるね。
その少し赤くなった顔を見ただけで、容易に想像できるからさ。
ふふ、でも安心して。
単にガラス管の奥の方に、白く着色されたエポキシ樹脂が溜まって洗い難かったってだけのエピソードだから。
君や、これを耳にした僕らが連想したような事は一切起きていないから。
あとはそうだな…。
ああ、こんな事も言っていたっけ。
「ねぇ、君はどうしたら俺だけの事を考えてくれるの?…何の事って、惚けても無駄だよ。君が何人ものヤツと関係を結んでは別れてを繰り返している事、知ってるんだから。今日は誰とシてたの?身体、こんなに熱いままで、俺なら誤魔化せるとでも思ったのかな。………黙りか。良いよ、そっちがその気なら、俺だって好きなようにさせて貰うから。今に、俺だけのことしか考えられなくなるよ。」
この台詞は授業中に出た言葉だったかな。
確か、酸化還元反応とか、その辺りを学んでいる時だったと思う。
途端に場の空気が変わった事を憶えているよ。
そんな中、果敢にも彼に話し掛けて空気を変えたのは、彼同様の変わり者で、僕の友人だった。
その子の話はまた、機会があったらしようね。
と、次回の予告(仮)も交えた所で、今日の話はお終い。
気分が乗ったなら、今度も話聞きに来てよ。
君は相槌を打ちながら聞いてくれる、数少ない特異な人だから、僕は君がいると話し易いんだ。