二相性脳症のまじめな話・4 | かなのえくぼ〜急性脳症後遺症〜

かなのえくぼ〜急性脳症後遺症〜

急性脳症後遺症で重心児首すわりなし。てんかんや嚥下機能障害などの合併症がある3兄弟末っ子の「かな」
医療ケアは必要だけど笑顔で楽しく生きていく「かな」と家族の日記。

今回も2011年発売の脳症・脳炎の本から。
(医療機関、療育機関からみた)
脳症後の経過とリハビリテーションの流れ

〈けいれん重積型脳症〉

・発症後おおむね2週~1カ月の間、頸定不可能なほどの低緊張状態が持続する症例が、入院リハビリテーションの適応となる。(除脳硬直様の過緊張状態を呈することもあるが、ほとんどが一過性である)
症例によっては、常同運動や不随意運動、自発性の低下、運動失行、言語障害、皮質盲などの症状が組み合わさる。
経口摂取障害から経管栄養を要していることも多い。

(私メモ)皮質盲・両側の後頭葉視野中枢が障害されると両側の同名半盲すなわち視野がなくなって見えない状態になること
常同運動・反復的で非機能的な行動

・リハビリテーション開始期の目標
○理学療法にて体幹、頸部の抗重力伸展活動を促し、中枢部の安定性を向上させる
○作業療法にて腹臥位、座位を設定し、日常生活に抗重力姿勢を導入する
○摂食機能を評価し、食形態や食事姿勢の調整、介助方法の指導を通じて経口摂取を進める

(私メモ)抗重力・反対に働く、地球の重力に逆らう。


・発症2~4カ月には回復過程から粗大運動予後がある程度予測できるようになる。
頭部MRI、脳波検査、発達検査を行って脳萎縮の程度、脳波異常の有無と程度、発達状況を確認し、全体的な機能予後を推定する

(私メモ)粗大運動機能・胴体と四肢の大きな筋肉の供応(平衡、バランス、移動)

・それに基づいて短期目標、長期目標
(回復困難が予測される場合は目標を運動機能回復から合併症予防、介護量軽減に変更し、家族への障害受容を促すことが大切である)
を設定し退院時期や退院後の進路を決定する。機能回復訓練によって姿勢保持能力や移動機能を高め日常生活動作を指導するとともに、コミュニケーション能力にあった関わり方を指導して親子関係が保たれるように配慮する

・リハビリテーションと並行し、心理士やソーシャルワーカーによる家族支援を行う

・退院前には家庭環境調整、補装具の作製を完了する。(一般的に発症6カ月以内の身体障害者手帳取得は困難なことが多く
補助が受けられない為、手作り、レンタル、市販品の改造をすることもある。)

実際我が家は吸引器、持続吸引器、手動吸引器を自費購入。
ベビーカーをバギー代わりに、チャイルドシートを室内で座位保持椅子代わりにしていました。


家庭療育のプログラムを指導し外泊訓練を繰り返す。
発症年齢が0~4歳の乳幼児が多いため地元の療育施設への紹介や保育所、幼稚園との連携が重要になる。

・退院後は歩行練習などを積み重ねる。
後遺症としては知的障害、てんかんが残存しやすい。
(皮質盲は徐々に改善するが視知覚認知障害は残存する)

(私メモ)視知覚認知障害・目から入った情報が脳内でうまく処理できない状態。

・粗大運動機能の回復は比較的良好で、
70~90%が独歩可能になると報告されている。
(中心溝周囲が保たれているためと考えられる。
発症後3カ月以内に頸定が、
6カ月以内に独坐が獲得出来ない症例は、最終的に独歩できない可能性が極めて高い。)
独歩獲得例は粗大運動の回復が早い傾向があり初期の回復過程を確認すれば予後はある程度予測できる。
過大な目標設定を避け逆に予想レベルに届かなければリハビリテーションの見直し、阻害因子(てんかん、服薬、環境など)の検討をする。


けいれん重積型脳症の運動予後とMRI上の脳萎縮の程度は必ずしも一致しない。
高度の大脳萎縮があっても独歩可能な症例も存在する。

・常同運動・不随意運動は四肢をばたばた動かす、体幹の捻れを伴うなど舞踏アテトーゼ様の動きが多いが、ジストニアやミオクローヌスもよくみられる。
(低緊張のため四肢の運動が過剰になる見かけ上の不随意運動とは区別してとらえる必要がある)
時に薬物に反応するが自然に軽減することが多いため、可能な限り投薬を整理することが望ましい。

(私メモ)ジストニア・脳や神経系統のなんらかの障害により持続的、または不随意的に筋肉が固くなったり収縮する。
ミオクローヌス・自分の意志とは無関係な運動を起こす不随意運動の1つである。

・手や物を口にいれる常同運動や運動の保持もよく認められ長期間残存する。
作業療法を中心に手掌の感覚を高め操作の結果がわかる遊びを設定し、合目的的な手の使用を根気強く援助することが大切である。

・知的障害に関するまとまった報告はないが、多くに残存するとされている。
運動機能回復が乏しく歩行が獲得できない例では中等度以上の知的障害が認められる。

私メモは素人の私がわからない言葉を調べ簡単に載せたものです。


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