6月20日付のブログで、慶應義塾大学法学部法学研究所と中央大学法職講座が予備試験受験対策を売り物に学生を募集している実態を報告しましたが、さらに明治大学駿河台キャンパスでも同様の講座を“装いを新たに”開設することが、関係者からの情報で判明しました。


 6月20日、法学部事務室名で発出された明治大学法学部主催「夏期直前模擬試験コース」案内書から関係箇所を引用します。

 “昨年度まで「法科大学院入試対策講座」として実施していた講座を、「司法試験対策講座」として装いを新たに実施することになりました・・・。”

 新たな装いとは、“同講座の春期コースでは、予備試験のための企画やステートメント書き方セミナーの実施を予定しています。”と明記してあります。“装い新たに”とはよほどお気に入りの表現なのでしょう。案内書の最上段にも大きな字で“装い新たに実施!”と見出しが置かれているほどですから。法科大学院関係者が予備試験制度の廃止を主張する一方で、同じ学校法人の法学部は予備試験合格対策の充実をエサに学生を集めようとしている実態がここでも明らかになりました。


 さらに驚かされたのは、“本講座受験生の特典として、某受験塾(原文では実名入りです)の小論文全国模試通常6300円を4000円で受験することができます・・・。”と書いてある点です。たしか、法科大学院を中心とする法曹養成制度創設の“高邁な理念”とは、旧司法試験の悪弊である受験塾通いの“小手先の”受験技術の熟練を廃し、“人格識見ともに優れた”人材を輩出することにあったはずでしょう。それが、受験塾が行う模擬試験の受験料の割引を自らの特典と謳うとは、トホホ・・・。

 法曹養成制度の混乱、ここに極まれりです。


 ちなみに受講申し込みは、7月16日(水)。法学部事務室開室時間内に、受講料をもって来てください、と書かれてありますよ。お急ぎになってくださいね。