朝日新聞の記事で、こんな調査について書かれていました。

 

『景気拡大9割も…「実感と合わぬ」4割 100社調査』

 

 記事の内容を読むと、景気判断と、「その景気判断に実感が伴うか?」という質問のアンケート調査だと思うのですが、とりあえず最初に注意して欲しいのが、コレ、主要100社を対象にしたアンケートなんですね。経団連が自民党に多額の献金を行っていることからも分かる通り、現在の安倍政権が大企業優先の経済政策を行っていることは明らかですが、そのような大企業優先の経済政策を行いながらも、おそらくほとんどが大手企業である主要100社へのアンケートで4割が「実感が伴わない」と答えているワケですから、その他の中小企業などの状況は推して知るべしでしょう。

 

『経団連:自民への献金促す 政策評価、課題も指摘 - 毎日新聞』

 

 それにしても不可解なのが、果たして景気拡大の実感がないにも関わらず、景気の現状を「拡大している」あるいは「緩やかに拡大している」と答えている4割の企業に関してです。一体、実感がないのであれば、どのような判断で「景気が拡大している」と答えたのでしょうか・・・?

 

 なんとなく、この記事を読んで思い出してしまうのが、『動物農場』で、自分たちの状況が「何かオカシイ!!」と感じながらもスクィーラーなどの詭弁に惑わされて、「ああ、なんだ気のせいか・・・」と思って現状に納得してしまう動物たちです。

 

 まあ、簡単に言ってしまえば、この「実感が伴わないけど、景気は拡大していると思う」と答えている企業の多くは、「現状は全く良くなってるとは思わないけど、政府やマスコミや経団連のトップが景気が拡大していると言っているのだから、きっとそうなんだろう・・・」と思っているということなんですね。もちろん、何らかの理由で、「景気が拡大していると答えろ!!」という無言の圧力が存在した、という可能性も考えられますが、そのような可能性を一旦脇に置くなら、要は、主要100社に務めるような会社員や経営者においてもこの程度の認識、動物農場でおかしな独裁政治とプロパガンダに騙されて右往左往する動物たちと何も変わらないような認識しか持てないような人たちだということなんですね。

 

 ちなみに、この記事の最後は、

 

「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は「株価が上がってバブルなだけ。海外市場を相手にしたところばかりよく、日本の景気自体はよくなっていない」と指摘する。

 

と、まとめてありますが、コレは藤井聡さんの日本経済の現状分析とも符合します。

 

【藤井聡】日本経済は3年以内に「どん底」に落ちる ~日本経済2020年危機論~

 

メディア上では、内閣府発表の最新の経済統計に基づいて、「7-9月GDP年率1.4%増、16年半ぶり7期連続プラス成長」などと報道されています。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-11-14/OZ6KHZ6TTDS501

もちろんこれは誤報ではありませんが、この見出しから受けるイメージほど、日本経済は好調では決してありません。

そもそも、今期の成長は「外需主導」でもたらされたもので、国民の暮らしに直結する内需は大きく冷え込んでいるのが実態です。実際、(GDPの1%程度を占める「純貿易」を差し引いた)「内需GDP」に着目すれば、前期比の実質成長率はなんと「-0.18%」(532.1兆円→531.1兆円)。

 

 ちなみに、この調査は企業に対して行われているもので、「賃金が十分に伸びていない」と指摘されているのですが、賃金が伸びない一方で、税と社会保障の負担は着実に増加しています。つまり、庶民の生活は確実に苦しくなっているワケなんですね。

 主要100社に対する企業の意識調査では、「景気の拡大は実感できない」といった程度のものかもしれませんが、中小企業や、家計への意識調査を行えば、おそらく比較にならない程調査結果が出るのではないでしょうか?

 

 

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