バーガーキングという企業は、その名称から王様であることを宿命づけられているがゆえに、ビッグサイズ・ハイになってしまっているのだろうか。とにかく年間を通じて定期的にメガ(あるいはテラ)メニューのキャンペーンが展開され、また私のようにまんまとそれに乗ってしまう層がいて需要と供給がジャンキーなまでに合致しているわけです。
そんな私でさえ「さすがにこれは、手に負えぬのでは…」とためらったのが、2月より発売されている超大型チーズバーガー『グレートキング・イエティ ザ・ワンパウンダー』でごわす。超大型プロレスラーで、キャッチフレーズが“ザ・ワンパウンダー”で、リングネームが「グレートキング・イエティ」という選手が実在してもおかしくないと思われるネーミングです。
▲大きさがわかるようマッチ箱かなんかを置いておくべきだった
食品で“グレートキング”を名乗るものが出てくるとは…名乗るとしたら、だいたいグレートかキングのどちらかですよね。さすがの偉大なるザ・グレート・サスケもグレート小鹿もザ・グレートキング・サスケとかグレートキング小鹿とは名乗らない。そこには一抹の遠慮があるわけで。
正式名ではありませんがその昔、ミスター・ポーゴさんがより極悪なポーゴ大王様を召喚し、それでも大仁田厚に敗れたため勢いのあまり「次は大・ポーゴ大王様を呼ぶからな!」と宣言。それを誌面で勝手に「GREAT KING POGO」と英語表記したことがありました。1995年のことです。
▲お懐かしい大・ポーゴ大王様の雄姿。その写真のキャッチに“GREAT KING”の文字が
あれから28年ほど経って、まさかハンバーガーでそのフレーズが使用されることになるとは、ポーゴ大王様の目をもってしても見抜けなかった。海のリハク、何度目かの一生の不覚であります。
そうした大河ドラマwがあったため、あまり意味のない使命感に駆られたことからためらいを払しょくし、チャレンジしましたよ、グレートキングに。1パウンド(約450g)というだけあって手にした瞬間、確実にバーガー人生でもっとも重く感じました。ハンバーガーを持っている感覚ではもはやございません。
一応、証拠として量りにかけてみたところ、包み紙とキャンペーン特典のステッカー込みで551gに。そりゃあ猫だって「ニャんだこれは?」となりますわ。
「直火焼きの100%ビーフパティ4枚とゴーダチーズスライス6枚をまろやかなホワイトチーズソースで仕上げた」というのがうたい文句。肉だけでなく、返す刀でチーズも6枚って…さらにwithホワイトソースというわかりやすい形の背徳感。
先日、JB's-TOKYOではチキンにもチャレンジしなかったパティ4枚を、こちらの方で経験することとあいまったわけです。ちなみに、これ一つで総カロリー1637kcalと、ラーメン二郎並み。
十二分に腹を空かせてから立ち向かったこともあり、そりゃあうまいですよ。うん、うまい。ただ、すぐに味よりも「今俺は、この肉と闘っているんだな」という実感の方が上回っていきます。ステーキや焼き肉に対する気合となんら変わらず、およそファストフードを食べている時のそれではなくなっていました。
食べても食べても減らないんだもん!(精神的に) パティ4枚の世界って、こういうものなのかと。わずかに入っている(量的にはわずかではないのだが、パティやチーズの量と比較するとわずかに思えてしまう落とし穴)オニオンに、そこはかとなくホッとしてしまいます。これは戦士の休息なのだな。
▲まだ半分にも到達していな時点でけっこうな満腹感。パティ4枚分の地層のよう。ご馳走だけに
通常より時間こそかかりましたが(当たり前だ)完食しました。満腹感がハンパありません。ランチで食べましたが、今日のところは晩御飯パスします。
「完食…完食!? キサマーッ! よくも大・バーガー大王様をコケにしやがったな。こうなったら、さらに極悪なほどデカく、凶暴的にうまい大王様を召喚してやるっ! 名づけて…特大・バーガー大王様だ! わかったら出てけーっ!!」
……なんか、そのように言われた気がします。このように、4枚がいけるんだったら5枚も、なんなら6枚もいけんじゃね?と、今年の秋あたりにバーガーキングが仕掛けてくるやもしれません。名称としては『スペシャル・グレートキング・イエティ ザ・ワンポイントファイブ・パウンダー』で。
というわけで、期間限定の品目ゆえ売れ切れ次第終了とのこと。ポーゴさんを思い出しつつ、食べてみてくだされ。わかったか? わかったら――。