痩せこけた頬の子は
水をひき 急いでゆく
傷を傷で隠した
男の背 月は語る
タンタン クルトゥルン 消えゆく火に
トゥーシャン ピフィルカ 過去は燃える
砂の城は落ち
紙の旗は濡れ
終わりの鐘よ伝えて
砂漠の旅路よ
人の容易さよ
かげる命を支えて
渇き果てた地に降る
水のようにまとう出逢い
衰えゆくのをただ
待つなよと 少年は云う
タンタン クルトゥルン 雪解けても
トゥーシャン ピフィルカ 想いつのる
心 折れたとき
斧を捨てたとき
おまえ導く風の手
最後の恋など
砂の渦の中
脱ぎ捨てた靴 沈めて
猛き日も いつか大地に伏せる
汚れた目 涙で洗う 月の谷
Called Requiem
Wind of the sand
砂の城は落ち
紙の旗は濡れ
最後の恋など
風の塵の中
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クルトゥルン…マプチェ族(が儀式に使う片面太鼓
ピフィルカ…マプチェ族が儀式に使う木製の笛
マプチェ族…チリ中南部からアルゼンチン南部に住むアメリカ州の先住民族。民族名は、彼らが話すマプチェ語で「大地」(Mapu)に生きる「人々」(Che)を意味する。
TOQUI(トキ)……戦争が起きる時、集団をまとめるリーダー。マプチェ語で「斧を持つ者」という意味がある。