こんにちは、佐藤です。

 

 

今年、吉田公民館さんとJA十日町さんとの共同食育事業で、地元の小学生を対象にさつまいも栽培をしたいとのことでお話しをいただいたのが、この冬。

 

 

「足りないところが多々出てくるかもしれませんが、折々サポートいただけるなら、がんばってみようと思います…!」と後ろ向きな回答をしたにも関わらず、神のような優しさ温かさの職員の皆様のおかげで、スタートしたさつまいも栽培。

本当にありがとうございます!!!

実は、今回さつまいも体験をするにあたって、気になっていることがありました。

 

保育園・小学校、そこらじゅうでさつまいも、植えてませんか?

私は農園としてさつまいもを栽培していますが、管理が複雑でないこともあり食育として保育園、幼稚園、小学校、そこらじゅうでさつまいも栽培をされている印象です(汗)そして同様に、さつまいも体験の先生として声がけいただくことも増えました。本当にありがとうございます!(最近は出産子育ても挟み、なかなかたくさんの学校には伺えなくて申し訳ないです…)

 

しかし先生として呼ばれるたびに私には一抹の不安が…。
もはや、毎年そこらじゅうで芋を植えている(植えさせられている?)こどもたちは、すでにさつまいも作りに飽きてるのでは…??

 

 

てか、さつまいも作りから、ちゃんと何かを学んでくれているかな…(汗)ドキドキ

 

 

毎年芋植えしすぎて、「芋ツマンネー」と飽きてしまわないように、なにか主体的な面白さをもたせたい…。というわけで、いままでやってきた、あの手この手と、今回やってみることを書き出してみました。

 

 

やるにあたって大事なことは「こどもたちと仮説を立ててみて、それを実践してみる」です。

 

植え方を変える

さつまいもは面白いのです。
さつまいもはつるを植えるのですが、

まっすぐ植えるか、斜めに植えるかで、芋のでき方が違うのです。

 

そこでこどもたちと

「どっちの植え方のほうが、たくさん芋ができるかな?比べてみよう!!」と、試してみました。

理論的には、こういう風になります(仮説)。(下手な絵ですみません…)

 

これは結果が顕著に現れ、感想文を読んでいると、子供たちの記憶にも深く残ったようでした(^^)翌年からは、どんな芋が食べたいか、どういう風に食べたいかで、縦植えするグループと、斜め植えするグループで分かれてワイワイ植えました!

 

 

実際、どういう結果になるかは、ぜひ試してみてくださいね。
芋の大きさ、数、全く違う結果になります!

狭く植える、広く植える

また、植える間隔(株間)も変えてみるととても面白いです。

 

 

通常は25-30cm程度と言われていますが、それか出荷用に平均的なサイズと数を作るのに最適な株間だと感じています。
うちは干し芋用をメインとしているので、大きめに作ろうと45cm間隔で植えています。


さて理論的には、間隔を狭く植えると細く、広く植えると大きな芋ができるはず(仮説)なのですが…仮説通りにできるでしょうか?ぜひ試してみてください!

 

 

 

実際に売ってみる

あの手この手の第3弾は、「植えて収穫して、あー楽しかった」ではなくて、「実際に売ってみる」ところもやってみよう!ということで、今回の食育事業では、地域の公民館まつりで売ることをやってみます。

それも、芋を芋として売るのではなく、
焼き芋にします!

 

裏テーマは「地域で経済とお金を学ぶ」です。


公民館さんとJAさんとやる食育事業では、農業体験を通じて地域の農業や食に親しみを感じてもらうことや、食の大切さを学んでもらいたいという思いがあったのですが、受け身で学ぶよりも、もう一歩踏み込んで、地域の資源(個性)を生かして、主体的に実践的なものをしてみたいと思いました。

 

 

根底にあるのは、これからの時代を生きるにあたって地方に住もうが都心に住もうが「仕事を生み出す力」が必須スキルとなるだろう、と感じるからです。



私自身、農業で起業しましたが、やってみて気づいたことは「仕事の作り方を学んだことがなかった…!!」でした。

なので、領収書ってなんだ?見積書ってどう書くの?価格ってどうつけるの?利益率????から始まり、走りながら独学で、たくさんの人にご迷惑をおかけしながら実践を通じて学んできました。

 

今は、現在ある職業が10年後もあるとは限らない時代です。
だからこそ、自分の好きなことや得意なことと、社会課題や住んでいる地域の個性・強みを掛け合わせた仕事づくりが重要に感じます。


 

なぜ掛け合わせるのかというと、好きなことや、やりたいことで自己実現をしようとしたときに、その武器だけを持っていては大抵はライバルが多すぎるからです。だから戦略としては、自分の置かれた環境(地域)の持つ素材や文化の要素をかけあわすことで、大きな差別化にする方法が有効です。

 

 

そのためには、
◆自分たちの足元にあるけれど、他は持っていない価値を見つける視点
◆時給としてのお金
よりも、自分が提供した価値の対価としてのお金、という本質の体感

 


の2つを経験できる機会があってもいいなぁと思うし、こどもたちと一緒に体感してみたいなと思いました。まずはこの地域資源と、できた芋をサンプルに実験。

自分にとってもお客様にとっても嬉しい設計ってなに?(原価計算、自分は時給いくらで働いていた?、どう効率化すれば時間に対する価値が上がるか、など)、どうすればお客様により喜んでもらえるのか(相手への想像力を中心とした、売り方、一個か小分けかセットか?、パッケージ、伝える言葉やコミュニケーション)など、実践を通じてたくさんの仮説を検証していくことは、面白そう。

 

 

作ったものを、届けるまでが仕事です。
しかも、そこで出た売り上げは、みんなで実際に分けておこづかいにしてもらうのもリアルでいい!

 

 

ということで、今年は初めてちょっと踏み込んだことをやってみます。
個人的にはテキストも作って〜、とか考えていたのですが、早速新型コロナの影響で芋植え体験は中止に…。ガーン。
昨日スタッフのみんなで植えましたが、これからの進め方を私も走りながら考えたいと思います!引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

【雪国農業から、こころ動く世界を】

新潟の豪雪地、十日町で「雪国農業からこころ動く世界を」をテーマに

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