米国を信じたばっかりに悲惨な破目に | 如月隼人のブログ

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私は北京に留学していた時に
ロバートという米国人と知り合いになりました
ええと
姓は何と言っていたかな
アシュモアとかなんとか言ったかな
いつも「ロバート」と呼んでいたから
忘れてしまった

このロバートはハーバード大学の卒業生で
北京大学で中国の古典文学を学んでいたのですけど
中国語会話もやたら上手でした

当時は携帯電話なんかありませんでしたから
電話連絡をしようと思えば
大学の宿舎(寮)に電話するしかないわけです

面倒になるのは
私が不在の時に電話が入った場合
私が住んでいた階の雑務をしてくれるじいさんは
とってもよい人で
いろいろと親切にしてくれたのだけど
誰からかかってきた電話だったか
メモする
なんて気のきいたことはしてくれない
ただ私が戻ってくると
「電話があったよ」とは教えてくれる

そこで私は
「男だったか? 女だったか?」
「中国人だったか? 外国人だったか?」
「若い人だったか? 年配の人だったか?」
と尋ねるわけです。

そうすれば誰からの電話だったか
だいたい見当がつく

ロバートからの電話の場合はダメでした
じいさんはためらうことなく
「中国人からだった」
と言う
見当がつかなくなって
大混乱

そうそう
ロバートは古典中国語が読めるので
米国の製薬会社から依頼された
医学関連の古い書籍を翻訳して
けっこう儲けていたそうです

さてさて
ロバートを訪ねて北京大学に遊びに行ったことがあります
構内を移動することになって
ロバートは自転車を引っ張りだしてきた
私に向かって「荷台のところに座れ」と命じる
言われたとおりに従った

その日は快晴でしたけど
前日に大雨がふりましてね
北京大学の構内にはあちこちに
水たまりがある

しばらくしたら前方にとっても大きな水たまりが出現した
おいおいおい
危険なのでは?

そこでロバートに恐る恐る
「自転車を止めて様子を見た方がよい」
と提案

するとロバートは
「問題ない 突っ切る」と断言
ペダルをこぐ足に力を込めて加速
ロバート力走
ロバート暴走

ということで自転車は水たまりに突っ込んだ
だいたいの場合
とっても大きな水たまりは
どっかがとても深くなっていますからね

その時も
水たまりの深い部分に突っ込んでいった
自転車をこぐロバートのつま先は完全に水没
自転車はみるみる減速

このままでは危ない
ロバートはペダルをこぐ足に力を込める
ロバート力走
力走及ばず
減速してバランスを失った自転車は転倒

私もロバートも泥水の中に投げ出されたのでした

私はロバートに抗議
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ワレ 米国ニ勧告セリ
米国 ワガ勧告を黙殺セリ
然レドモ ワレ 米国を信ズ
自転車荷台ニ座シ続ケタ所以ナリ
シカルニ汝
自転車ヲ漕ギ続ケル事アタワズシテ
転倒セリ
米国ニイズクンゾ 義アランヤ」
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するとロバートは
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汝 米国ヲ信ジタリシカ
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と言うのです

私が
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然リ
ワレ マサニ米国を信ジタリ
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と言うとロバートは
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汝 米国ヲ信ジタリ
コレ 大イナル愚ニアラズヤ
汝 米国ヲ恨ミテモ
イズクンゾ 益アラン
己ノ愚ヲ大イニ恨ムベシ
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ううむ
こん畜生!