その昔


アダムとエヴァが林檎を食べるまでは


お互いでひとつの 花 でした。




女性の頬は
薔薇の花びらが溶けたように
ほのかに紅く


喜びと幸せを象徴していました。








男性は
女性の柔らかなそのほほえみに
神殿の吹き渡る風を感じて
躍動的なパワーが底からあふれだしました。
瞳の奥は智慧であふれていました。






あるとき



蛇は宇宙の真理を伝えるために
学びの使いとなり 地上に降りました。



"男性性と女性性のエネルギーについて"

それをまなびゆく道へ
人類の旅の扉をノックしたのです。







一度分離された
おとことおんなになるー







再統合への


長い長い
旅の始まりでした。






分かれてしまったこの世の世界では
恐れの粒・カルマが
まるで水底の泡のように浮き出ては
波紋を広め
生み出されてゆきました。






男性は
狩猟本能にかきたてられるようになり
労働に対する
プレッシャーの十字架を背負いました。




女性は
常に外へ外へと向かっていく
愛するものへの不在に出会いました。



愛されている、満たされている感覚を
失ったようで不安になりました。






男性は
目に見えるちからを与えられていたので


目に見える物質の世界に
確かなものを作り上げ
そのなかで
神の代わりを築き
自信を取り戻そうとしました。






女性は
目に見えないちからを与えられていたので



多くの生きる知恵を
引き出しはじめました。




それは何かを育てていく時の母なる愛として

または愛するものをとり戻すための魅力を
魔法のように奏でる魔性の女として





それは時には
魔力ほどのちからをもっていました。









物質がすべての世界では
対象が物質なので


それを
獲得しなくては生き残れない感覚、
死への恐怖とともに
世界に渦巻いていきました。








“神にとうとう捨てられた”


“突き放されてしまった”


そうした人類の深い寂しさと悲しみが
やがて魂の源を忘れることで
救われようとしました。




神の代わりとなるものを
目で見えて
確かに触れて
ここにあるものを。



自らの手で創り上げてゆく時代に向かいました。




そうして
目に見えないものとの繋がりに続く
あらゆるものは
人工的に作りあげた“神”と
それをとりまく者たちによって
とうとう封印されました。






それゆえ
狩りださないと生きれない世界に身を置き
奪われるという恐怖感のなかで
世界はますます渦巻いていました。





そして女性の持つ
底知れぬ愛のちから 
と同時に
魔性とも呼べるような
見えない内に秘めたエネルギーに
恐れを抱くようになりました。





女性はそうしたちからを持ちながらも
物質世界のエネルギーに翻弄されていたので
まるであることを忘れたかのようでした。


つねに愛するものに
愛されたい、満たされたい気持ちで
いっぱいだったので、
魅力や魔力を高めるのに必死でした。





それはやがて
他の女性に対する
比較や嫉妬というエネルギーをも
生み出していきました。




男性は女性の魔力を封じ込めようとしました。






魔女狩りが行われました。







女性を完全に手中に入れ
その片付けきれないエネルギーを
支配下のなかで
コントロールしようとしたのです。



女性の持つ最も神聖な子宮のなかへも
踏み込んでいきました。




ますますちぐはぐに向かっていく
世界に翻弄されて
女性はみずからの感情のエネルギーにも
恐れを抱くようになりました。



自分の内にある
性の美しさ、神聖さを表現することも
躊躇しはじめました。




人魚は
声を失ったのですー





マグダラのマリアとともに
海の底へ沈みました。






そしてオレンジ色の水瓶のなかにすべてを隠したのです。




歌いたいときに歌う声。










踊りたいときに踊り出す
幼子の無垢な光り。





愛やよろこびを表現する
柔らかなエクスタシー。




そうしたあらゆる喜びや表現が
歪められ 抑えられ 
世間体と本音に分断されゆく
"大人の世界" が はじまりました。





そして女性は地上に戻れば、魔力を封じました。
男性のまえで可憐に演じました。
そのほうが、愛される、そして、唯一の生きる道だったからです。


世界は完全に一つだったということを
やがて忘れていきました。








世界はその想念の結果が
表に現れ


ある時に臨界点を越えました。






男性の
奪わなければ 無くなってしまう.という重圧。


比較することで生まれる妬み。


ありのままのわたしでいられなかった女性の悲しみ。


抑圧され、支配されつづけた痛み。




記憶はみな 深いところで繋がり
分離したことによる体験は もう充分果たしました。


わたしたちはその旅に終止符をうち
いま 新たな世界へと向かおうとしています。







人魚たちは、オレンジの水瓶を地上へと運び
地に蒔かれた種に 潤いを与えはじめます






これから
種という希望を蒔くのは女性で




希望を輝かせ
育て 開かせるのは男性です。







女性は、ありのままに自らを愛し、
その神聖さを慈しみ、表現していくことで
地球に花を産むのです。






男性は、
そんな女性たちの楽しさや愛らしさに
心がほっとして
十字架を下ろすときがやってくるでしょう







この感覚がひらくとき
男性の持つ宇宙の智慧の眼が
同時にひらかれるとき。



もっと愛したい、守りたい。



抱きしめたくなるその愛によって
再び世界を照らしだす 碧のクリスタルアイズ









人類は抑圧された手中の爆弾をそっと手放し
自由になることで
今までのエネルギーが 自らの愛へとむかっていきます。



そして自分のなかにも
オレンジ色の水瓶を発見します。


自分のなかに男性性と女性性があること、
または、
その魂との繋がりがすでにあることを見つけます。



セクシャリティが
ひとつに統合するとき


世界は
すべての性を歓迎する喜びに包まれてゆくー。



見かけですら
自由に決められる。





やがて、愛と敬意を感じずにはいられない
互いのエネルギーとの再会を果たすとき



自らの完全性を愛するほど


現実に反映します。



それは鏡に映ったもうひとりの自分だからです。



それは距離や時空を超えるほどの



深い愛を感じることでしょう。





女性のしあわせで満ち足りた微笑みが
世界を明るくします。


女性は、どんな立場でも
幸せでいる方向を
選ばなければなりません。


男性は
そのありのままの純真な姿を"うちがわ"で感じ
情熱でいっぱいになります。




そして互いが躍動するエネルギーを生み出し
新たな世界を創造していくのです。



それがひとりの人間のなかに起きるとき…
投影されてゆきます。



マグダラのマリアと人魚とともに
地球は水瓶のなかから
虹のはしごを下りて生まれ変わる時代へ。








歌いたいときに歌う声を思い出してー



こころからの愛や尊敬を
表現することをためらわないでー





わたしを
そっと 信じ続けるとき



マリアはいつもここ にいる




  

      mahina and photo by aya.


※この詩は、旧約聖書の表現を少し取り入れ、そこからのわたし個人の感じ方を自由にとり混ぜて作ったものです。AYARI代表の綾さんが、この詩を作るにあたり、写真を提供してくださいました