Illustrator3Dでイラストを描く3 | 3倍早くなるためのDTP講座

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DTPの作業を早くするためのテクニックを綴っていこうと思っています。




まず、この記事を書くきっかけになったかたやなぎさん、くるくるリボンの検証をされたhamkoさんとカワココさん、Twitterをまとめてくださったやもさん、そして可能性やヒントを頂いた高橋としゆきさん、ajabonさん、すびさん、樋口先生、他たくさんの方々にお世話になりました。この場を借りてお礼いたします。ありがとうございました。

検証するうちにいろいろなメカニズムが分かってきましたが、私は積極的に使うことはない気がします。もったいないので判明済みの事象を公開いたしますので、お仕事に使うなり、セミナー等で取り上げるなり、更に掘り下げるなど発展を期待いたします。

また、いつもながら表面的な検証なので、間違っている可能性はあります。特に今回は同じ操作をしても結果が違うことが多々ありましたので、鵜呑みにされない方が良いと思われます。もし間違いなどに気付きましたらコメントなど頂けると助かります。

さて、今回は3D化の基本ルールを記しておきます。

・3D生成のルール
3D効果はオブジェクトのサイズではなく塗りの面積を基準に生成されます。よって線の塗りは線幅ががそのまま面になります。複数オブジェクトの場合、交差する部分も面として計算されます。













・オープンパス
オープンパスは交差してしまうと思わぬ分割面が増えてしまいます。構造体を非表示にするのであれば、クローズドパスにしておくほうがわかりやすいかもしれません。


↑塗りを白にしていると気付かないかも。思いもしないところで分割されてしまいます


↑わかりやすくするためにあえて遠回り



・曲線の分割
曲線は条件によってマッピング面が分割されます。どのくらいのカーブで分割されるのかはよくわかりません(無責任)。ただし、ハンドルがスムースでなく角があると必ず面分割されるようです。





・マッピングのラスタライズ
マッピングにグラデーションやグラデーションメッシュ使うとその面はラスタライズされます。ラスタライズ効果としての使いかたもあるので、グラデの使用がまずいわけではありませんがベクトルデータでなくなることを覚えておきましょう。使用する際は書類のラスタライズ解像度に注意。





・3Dモデルの破綻
通常の3Dソフトとは違いレンダリングをPostScriptで処理しているため、複雑な図形は一部分がすぽんと抜け落ちてしまうことがあります。よくありすぎてない方が珍しい。これは曲線が多く分割面が少ない場合に起こりやすいようです。


↑Illustratorだって文字スタイルとか制御しながらがんばってるんだ


また、グループ化したオブジェクトが離れている場合、構造体非表示部分が処理落ちすることも見受けられました。

ものによってはオブジェクトを移動しただけで直るものもあり、全くの憶測ですが、座標位置が関係あるのかもしれません。そしてこれは次項のバグと同じ理由かもしれません。



・重大なバグ

コピペや移動、時にはアピアランスにアクセスしただけで面の分割が変わり破綻することがあります。データは一切触っていないので原因は不明。これが起こるととマッピング面の多いものは泣けます。できるだけマッピングは手動を避けましょう。






さて、今回の実例はスライムタワーのフラットなイラストを作ってみましょう。
©スクエアエニックス



まず半分描いて回転体。


↑©スクエアエニックス

次にマッピング用のデータを作ります。ここで注意ですが、フラットにするためには構造体非表示にする必要があります。なので、シンボルに本体の色を含めて作る必要があります。位置合わせがむずかしくなるのでイヤなんですけどね。とりあえず大きめに作っておきましょう。計算できる場合はちゃんとやっておくと後がラクですよ。

シンボル化する前に3色分作っておきましょう。


↑©スクエアエニックス

一度アピアランスを外して3体揃えてグループ化、後々バランス調整の必要がなければパスファインダで合体します。


↑©スクエアエニックス

あとは個別にマッピングするだけ。



陰影なしにすればベタ塗りで描いたようなイラストの出来上がり。


↑©スクエアエニックス



陰影のブレンドを下げればアニメ調にもできます。


↑©スクエアエニックス


まだまだつづくのだ(まとめきれん)。