Illustrator3Dでイラストを描く11 | 3倍早くなるためのDTP講座

3倍早くなるためのDTP講座

DTPの作業を早くするためのテクニックを綴っていこうと思っています。

さて、時間が空いてすっかり冷めてしまったIllustrator3Dですが、せっかく調べたこととかもったいないので公開してゆきます。

Illustrator3Dはシンメトリーや円は得意中の得意。てことは果物はだいたい得意って事です。中でも汎用性の高い柑橘類を作ってみましょう。

まず、マッピング用のシンボルを作成します。
50mmの円を描き、黄色に塗ります。

オフセットで-1mmして白に塗ります。
更にオフセットで-2mmしてダークイエロースライムの色にします。




円の中心からパスを1本引き、可変線幅で整えます。



効果>パス>パスの変形で下の中心を基点に複数コピーします。
角度を45°、コピー数は7にしましょう。





出来たらシンボルに登録します。

次に3D用に50mmの円を描き、先ほどと同じ黄色にします。

半分消してコマンド+J。

上のセグメントをを削除して整列下揃えでコマンド+J。





効果>3D>回転体でマッピング。
影が黒だとアレなので、陰影カラーをイエロー系に変えておきましょう。
後で使い回すのでここで複製しておきます。

レモンらしく縦長にして完成。




次に長方形ツールで25×3mmの四角を描き、スポイトでぴっ。

レモンスライスの出来上がり。
グループ化してワープをかければふにゃっとできる。


ダリー。




次はバリエーションでレモンをライムにしてみましょう。
ついでにデータの管理にも言及しておきます。3D効果は正攻法だと修正がとってもめんどくさいんです。

通常、3D効果のカラー編集はオブジェクト、マッピング用シンボル、3Dの陰影とそれぞれ別の場所で指定しなければなりません。

しかも陰影のカラーはアピアランスパネルの3D効果から詳細オプションを開き、プルダウンからカスタムにしたうえで、カラーサムネイルをクリクックというとんでもなくめんどくさいアクセス方法しかない。さらにリアルタイムプレビューが出来ないおまけ付き。

たかだかカラバリごときにこんなめんどうな指定をしたくありませんね。

そこで以前キングスライムの色替えで使った手法を使います。新規ドキュメントを作り、先ほど途中で複製したレモンをコピペ。再配色で黄色を緑に、ダークイエローをライトイエローに。たった1度の操作でライムが完成しました。

そのまま作業してしまうとシンボルを上書きしてしまいますが、別ドキュメントで作業して戻せば自動でシンボルを含めたバリエーションが作成できます。



次にマッピングを種付きのデータに差し替えるとします。

通常マッピングの貼り替えはアピアランスパネルから3D効果を開き、マッピングから貼付面を選択してシンボルを選択、マッピングのサイズを調整しなければなりません。こちらも恐ろしく手間がかかるんです。

これを既存のシンボルに上書き(オプション+ドラッグ)するだけで全てのシンボルが置き換わります。差し替えデータを同じサイズで作っておけば超絶簡単に差し替えができるわけです。




シンボルが全て置き換わると困るならば、こちらも別ドキュメントでパラレルワールドを作りましょう。


次はアピアランスを使ってグレープフルーツにしてみましょう。

マッピングデータを作る際に、後から変更できるよう変形>回転複製で房を分けていました。アピアランスパネルから変形をクリックし、角度を30°、複製を11に変更します。カラー管理で皮をオレンジ、実をルビーします。



シンボル上書きで完成。

どうです、簡単でしょ。やる気ないからまずそうだけど。いや、ないのはセンスか。
センスがあれば何でもできる。1、2、3、ダー!

これでいくらでも房の数が違う柑橘類が作れます。
みなさんは100房のゆずでも作っちゃってください。

さて、データ管理の話ですが、正攻法では一方向の流れだけど、そこを縦横無尽に動けるように管理できれば余計な手間を省けます。特に出来の悪いUIが足かせになるなんて馬鹿げます(このブログの編集画面も相当だけど…)。このような考え方はIllustrator3Dに限らずデータ作成全般に有効なので覚えておきましょう。


あ、簡単だけどリアリティに欠けると思ってます?
これはカットイラストのつもりですから…(センスの問題はさておき)。
リアリティ欲しいですか?

では輪切りの画像を用意しましょう。



サイズを50×50mmにして、シンボル上書きィィィ!



ドヤァ。
キウイだって簡単だぜぃ。



ちなみにラスター画像を貼り込んだ際はドキュメントのラスタライズ解像度に依存します。元画像がいくら高解像であってもラスタライズ解像度の指定数値になってしまうので注意しましょう。

逆に元画像の解像度が足りなくてもIllustratorが再サンプルしてくれます。
因みにジャギーは減るけどとってもきれいになるわけではないですからね。

上のキウイは元画像が72dpi、ラスタライズ解像度は350dpi。ちょっと綺麗になっているのわかります?



ついでのおまけ。
半透明を使って多階層にしてみた。