Illustrator3Dでイラストを描く16 | 3倍早くなるためのDTP講座

3倍早くなるためのDTP講座

DTPの作業を早くするためのテクニックを綴っていこうと思っています。


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文章力やまとめ力のせいで伝えられていないこともあったかもしれませんが、実験検証の結果はほぼ書けたと思います。

というわけで、まとめ。

Illustratorで3Dを使う最大のメリットは「Illustratorネイティブ」。Illustrator上でモデルを作成、操作でき、分割してしまえば扱いやすいベジェ曲線になる。CMYKや特色も使え、バリエーションや流用も簡単です。

単体の回転体、押し出しはほとんど使えない(失礼)が、グループや透明、構造体非表示などを組み合わせると表現力がアップします。使いどころを選べば、簡単なイラストなら使えます。

制限は多いけど、もともとはオマケ機能。使えればラッキーくらいの気持ちなら、それほどイライラはしません。

もしリアルな3Dを作りたいなら、労力や安定性を考えても他の3Dソフトを使う方が絶対に良い! 過度な期待は禁物です。

●Illustratorで3Dを使ううえで重要な注意点(おさらい含む)
・「サイズ」は重要
Illustratorのようなベクターアートワークだとサイズは後付け要素なので気にしていないかも知れませんが、3D効果に関してはサイズは重要です。

例えばパースを付ける場合、同じ画角でもサイズによって結果が変わります。更に重要なのは押し出し。押し出し幅やベベルには限界値があります。拡大縮小時にこの値を超えてしまうと限界で止まってしまうため、絵柄が変わったり破綻することもあります。

・カスタムベベル使用の注意
カスタムベベルはドキュメントではなくアプリで設定を管理するので、別のIllustrator(同じベベルの無いバージョン)で開くと編集ができない。ドキュメントを開くだけなら大丈夫だけど、3D設定を開いてOKするともうダメです。

カスタムベベルは「危険」という認識は常に持っておきましょう。ブレンドと同じようにデータ渡し時は分割拡張したほうが無難です。

・生3Dは危険
3D効果は移動するだけで面が変わったりするなどバグも多く、描画の演算にも時間がかかります。程度にもよりますが、生データのまま使うのはあまりオススメできません。最終的には分割やラスタライズしてしまう方が安全です。別ファイルにai形式で保存してリンクするという手もありです(リンクはすびさんに教えてもらいました)。

・ブレンドは危険
3D同士のブレンドの中間値は、設定を開くとブレンド元のパラメータに戻ってしまいます。ブレンドを使う際はアピアランスを拡張しておくことをオススメします。

・透明効果を使う場合
透明を使った場合、「非表示の面を描画」のチェックを入れないと出力結果が見た目と変わってしまいます。これは別ファイルとして保存する際やラスタライズする際も同様です。透明を使う際は必ず「非表示の面を描画」チェックを入れておきましょう。

・3Dオブジェクトの拡大縮小
3Dオブジェクトの拡大縮小は、線幅も含めるチェックがあればマッピングも一緒に拡縮されます。しかし、シンボル自体のサイズは変わらないので、貼り直しなどがあれば全てパーになってしまいます。サイズの変更はなるべく避け、計画的にご利用しましょう。


他にもいろいろな3Dテクを見つけたのでリンクを張っておきます。

hamkoさん「hamfactry」
アピアランス魔女さんはやはり「3D効果」を使いこなしてます。
【お申込み開始!】dot-ai Vol.2に登壇させていただきます
Bird Cage Radio
Illustratorの3D効果でチョコレートを描こう(togetter)
Illustratorで3Dまとめ(togetter)

・カワココさん「イラレラボ」
アピアランス女王も「3D効果」を使いこなしてます。
3Dのチュートリアル
Tutorial_板チョコを描く
Tutorial_リボンの描き方
Tutorial_立体的な文字を作る
Tutorial_3D効果でハートのチョコレートを描く

・広田正康さんのブログ「デザイナー/イラストレーター 広田正康」
Illustratorカテゴリ
すごい! Illustrator3Dでスカイツリーって…。他にもたくさんの3Dを作っておられます。

・鈴木メモさん
斜め45度の影付き文字 改良版
イラストではありませんが、3Dの参考になります。

イラレでショートケーキのイラスト
厳密言うと3Dはちょっとしか使っていませんが、偶然(Twitterの方で)同じモチーフを扱ったので、センスの違いをとくとご覧ください^^ 3Dではありませんが、こっちのホットケーキなんて、もう…(泣)。

私の作ったの。あまりおいしそうでは…。


・DTP Transitさん
[3D 押し出し・ベベル]効果をかけているときに、面のカラーをコントロールする

・高橋としゆきさんのTwitter
TL見てたらやらずにいられなかった
このスライムを見て、3Dイラストの可能性に興味が湧き、Illustrator3Dを深く研究するきっかけになりました。

●最後に
私はくるくるリボン以前は地球を作るのが精一杯でした。というより食わず嫌いで避けていた気もします。

いろいろ教えていただいたhamkoさん、カワココさん、すびさん、高橋としゆきさん、(z-)さんらから学んだことが非常に大きく、出来ないと思っていたことが出来たときは嬉しく、楽しかったです。

あまり期待はしませんが、このようなことをきっかけにAdobeさんが3D機能を強化してくれたり、他のユーザーによって新たな3D技が生まれたりしたら嬉しいです。

長らく続いたIllustrator3D(シリーズ最長かな?)、これで終了です。ありがとうございました。