(長くなったので2つに分けました)
テレビ対局最高峰の年間リーグ、モンド麻雀プロリーグ。
その頂点を決める戦い、モンド王座決定戦も残すとこあと1戦。
3試合を終え、トップに立っているのは……
魚谷侑未。
2着の近藤と約100ポイントを離す大差でリードしている。
井出、茅森とは120ポイント差。
近藤はゆーみんとトップラスを決めて、さらに4万点差。井出、茅森は6万点差をつけなければ優勝できない。
圧倒的、本当に圧倒的なリードだ。
通常の麻雀をしていては絶対にこの牙城を崩すことはできないだろう。
故に、3者は結託してゆーみんをラスに沈める必要がある。自分のトップはその後だ。
そう打つべきだし、そういった麻雀を打たなければ競技麻雀ではないと思う。
さあ、果たして結果は。
じっくりと見ていこう。
起家から
近藤→井出→茅森→魚谷
東一局。親は近藤。
追いかける3者にとって自身の親で加点することがとても重要だ。ツモ和了でしっかりとゆーみんのポイントを減らす。それを3者が繰り返しゆーみんをラスへ沈める。
魚谷包囲網だ。
対するゆーみんは1人1人の親をきっちりと流しに行かなくてはならない。
局を進めたい人間は他にはいない。しっかりと戦いに赴く必要がある。
気がついたら、仕掛けていた。
カン3sをチーして役なしペン7m。だが白バック、またはソーズのホンイツへすぐに移行できる形であり守備力も落ちていない。
鳴かれてから優秀さに気がついたが、なるほど。これはまさに「鉄チー」だ。
この後すぐに369sに変化。
近藤から3900を打ち取り、まずは「東一局」を終わらせることに成功する。
東二局も茅森から1000点を和了。
全体の局数の2/8を消化したことに。
東三局。親は茅森。
この局も先制テンパイはゆーみん。
チートイドラドラテンパイ。この後南単騎に変化する。
さて、ここに追いついたのが井出康平。
高め3pを引き入れリーチ!
258s。58sで三色が付く絶好のリーチ。
と、この8sを一発でゆーみんが掴む。
8sは暗刻の牌なのでテンパイを維持するにはツモ切りするしかない。
正直、これは打ってしまうかもと思った。
ドラは自身から3枚見えており、一発と言えども打点は低い可能性もある。
何より井出は子だ。例え満貫の放銃になろうとも、茅森の親番を流せるのなら見合う価値はある。
しかし彼女はオリを選択。北の対子落とし。
この8sにはきな臭い物を感じたか?
結果は茅森、井出の2人テンパイ。
井出は茅森から出た和了牌を当然のように見逃し。
面白くなってきた。
東三局1本場。
魚谷→井出 3900
井出がタンピンドラ1をヤミに構え、ゆーみんから打ち取る。
これぞ決勝戦。これぞ条件戦。
3900は少し物足りない気もするが、脇から8000を和了するより何倍も価値のある直撃であった。
東四局
魚谷→近藤 1000
安いが、ゆーみんからなら価値がある。
東一局、二局と不本意な結果としてしまった3者。
少しずつではあるが、逆転への基盤を固めてきた。
ここから対局はさらに激しさを増していく。
その②に続く!